研究課題/領域番号 |
23K07108
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
立川 章太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (40816550)
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研究分担者 |
瀬尾 雄二 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00302000) [辞退]
玉利 慶介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30718995)
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Clonal Hematopoiesis / 放射線肺臓炎 |
研究実績の概要 |
近年、Clonal Hematopoiesis (CH) がアテローム性心血管疾患のリスクとなることが判明し、マウスによる実験においても局所の炎症を介し動脈硬化促進に関連することが報告された(N Engl J Med. 2017 Jul 13;377(2):111)。また、担癌患者における大規模な遺伝子変異解析では、CH が何らかの治療抵抗性に関わっている可能性が示され(Cell Stem Cell. 2017 Sep 7;21(3):374)、これまでに申請者は化学放射線療法を受けた頭頸部癌患者においてCHの存在が無病再発生存の増悪に関連していることを報告し、その作用機序としては慢性炎症の誘導による腫瘍微小環境の変化が考えられた。放射線治療における重篤な合併症である放射線肺臓炎も局所の炎症の関与が考えられる病態であり、CHにより増悪する可能性が考えられる。また、CHは高齢ほど割合が高くなり、かつIII期非小細胞肺癌の新たな標準治療となった化学放射線療法後の免疫チェックポイント阻害剤治療においても放射線肺臓炎の発症が治療継続の障害であり、CHと放射線肺臓炎の関連性の解明と克服は喫緊の課題である。 2023年度はまず放射線肺臓炎マウスモデルで実際に放射線肺臓炎が生じるかを検討し20Gy照射後20Wで肺含気量の定価を認めた。そこで現在はCHの有無により肺臓炎の重症化に変化が生じるか、4W毎にCT撮像を行い検討している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体を用いた変異解析も行う予定であったが、想定外に放射線肺臓炎発症頻度が低いため臨床検体の解析はまだ進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
並行して行っている放射線肺臓炎マウスモデルは比較的順調なためそちらを進めながら臨床検体の症例蓄積も行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数は次年度の消耗品購入にあてる予定である
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