研究課題/領域番号 |
23K07137
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
栂尾 理 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10452749)
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研究分担者 |
菊地 一史 九州大学, 大学病院, 助教 (20529838)
山下 孝二 九州大学, 医学研究院, 助教 (80546565)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | MRI / Arterial spin labelin / Perfusion imaging |
研究実績の概要 |
脳主幹動脈閉塞性疾患の診断および治療においては脳循環動態の可視化および脳灌流の定量的評価が重要である。脳灌流情報を非侵襲的に得るMRI手法としてarteria spin labeling (ASL)があるが、臨床での使用は定性的な評価にとどまり、脳血流の組織への到達が遅延した状態では正確な脳灌流の評価は困難である。本研究の目的は新たなスキームを用いた4D-ASLを開発し、それによる脳循環パラメータの定量的測定法を確立することである。具体的には以下の3点を目標とする。 1) variable-TR (repetition-time)法を用いた4D-ASL撮像法の開発 2) variable-TR法とtime-encoded法のハイブリッド画像収集による4D-ASL撮像法の開発 3) 脳主幹動脈閉塞性疾患患者における4D-ASLによる脳循環パラメータ定量法の確立。 今年度は1)のvariable-TR (repetition-time)法を用いた4D-ASL撮像法の開発をまず行った。もやもや病患者においてvariable-TR法による脳灌流画像を行い、脳血流SPECTとの直接比較を行った。脳血流量(CBF)はASLと123-IMP SPECTとの間で有意な中等度の正相関を示した。ASLから求められたarterial transit time (ATT)はSPECTのアセタゾラミド負荷による血管反応性と有意な負の中等度相関を示した。これらの結果からvariable-TR法を用いた4D-ASL撮像法は非侵襲的に脳血流を定量することができることが確認できた。今後はvariable-TR法とtime-encoded法のハイブリッド画像収集による4D-ASL撮像法の開発および 脳主幹動脈閉塞性疾患患者における4D-ASLによる脳循環パラメータ定量法の確立に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は新たなスキームを用いた4D-ASLを開発し、それによる脳循環パラメータの定量的測定法を確立することである。具体的には以下の3点を目標である。 1) variable-TR (repetition-time)法を用いた4D-ASL撮像法の開発 2) variable-TR法とtime-encoded法のハイブリッド画像収集による4D-ASL撮像法の開発 3) 脳主幹動脈閉塞性疾患患者における4D-ASLによる脳循環パラメータ定量法の確立 今年度の目的は1)のvariable-TR (repetition-time)法を用いた4D-ASL撮像法の開発であった。もやもや病患者においてvariable-TR法による脳灌流画像を行い、脳血流SPECTとの直接比較を行った。脳血流量(CBF)はASLと123-IMP SPECTとの間で有意な中等度の正相関を示した。ASLから求められたarterial transit time (ATT)はSPECTのアセタゾラミド負荷による血管反応性と有意な負の中等度相関を示した。これらの結果からvariable-TR (repetition-time)法を用いた4D-ASL撮像法は非侵襲的に脳血流を定量することができることが確認できた。当初の予定通り進行肢ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針は以下の2つの目的を達成することである。 2) variable-TR法とtime-encoded法のハイブリッド画像収集による4D-ASL撮像法の開発 3) 脳主幹動脈閉塞性疾患患者における4D-ASLによる脳循環パラメータ定量法の確立 現在はvariable-TR法とtime-encoded法のハイブリッド画像収集による4D-ASL撮像法の開発に取り組んでおり、近日中にも臨床応用が可能と考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度購入する予定であったワークステーションおよび解析ソフトの購入を来年度に行うことに変更したため。
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