研究課題/領域番号 |
23K07173
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
福田 哲也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90443506)
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研究分担者 |
立石 恵実 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (20795596)
飯田 秀博 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (30322720)
細田 洋司 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (40359807)
吉原 史樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (70393220)
太田 靖利 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (90388570)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 腎臓 / OガスPET / 酸素代謝 / 慢性腎臓病 / 腎動脈狭窄症 |
研究実績の概要 |
【研究実績報告】 令和5年度の研究では、定性画像取得のためのアプリケーションの設定を完了し、画像パラメータの調整と定性画像の検査を可能にしました。この成果により、12の臨床症例を登録し、そのうち10症例について実際の検査を実施し、定性的画像データを取得しました。現状正常と考えている軽症例において腎皮質の血流像の早期、後期層だけでなく、酸素代謝における皮質髄質境界における取り込み像をクリアに描出でき、腎機能の新しいイメージングとしての第一歩を踏み出すことができたと考えています。また、低機能腎の皮質と髄質境界部、近位尿細管部での酸素代謝の低下を示唆する画像所見に着目し、今後も症例の登録を進めていく予定です。これらの成果により、計画通りに慢性腎疾患の治療適応判断や効果評価に必要な重要なデータを収集しました。 さらに、定量評価に向けた画像パラメータの設定も分担研究者との協議を経て進行中であり、すでに収集した画像データを解析し、定量値を算出するための基盤を築くことができました。また、年度後半には画像解析の最適化とソフトウェアの改良を行い、検査の効率性と精度を向上させました。これにより、研究の信頼性と実用性を高め、今後の臨床応用に向けた準備を進めました。 【学術的成果】 今年度の研究成果により、15OガスPET検査を応用した新たなイメージングバイオマーカーの創出に成功しました。定性画像のみでも、慢性腎疾患の診断や治療効果の判定精度の向上に大きく貢献できる可能性が示唆されました。今後の研究では、これらの成果をより具体的な定量評価に結びつけ、臨床応用のための基盤を確立していくことが期待されます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、撮像のためのアプリケーションの設定、および定性画像取得に関するパラメータ設定を完了し、臨床例10例を12例を登録、そのうち10例を検査施行している。臨床症例登録を継続中であり、同時並行で定性画像の効率化、定量ソフトアプリケーションの確立に向けた協議とテスト施行を行っている
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今後の研究の推進方策 |
【今後の推進方策】 引き続き、15OガスPET検査を用いた慢性腎疾患の研究を推進していく方針です。具体的には以下の取り組みを計画しています。 1.臨床例の増加とデータ収集の拡充: より多くの臨床例を登録し、慢性腎疾患の多様な病態や進行度に関する情報を収集します。これにより、検査の有用性や応用範囲を広げることが期待されます。定量画像も含め、多角的なデータ収集を行い、その画像的特徴、特に正常像の確立を目指します。。 2.定量画像解析の実施と評価指標の構築: 定量画像解析のアプリケーションの設定を完了し、腎機能や組織の代謝状態などの定量的な評価指標を確立に向けての解析に着手していきます。またこの成果を分担研究者と協議し、今後、慢性腎疾患の診断や治療効果の評価において、より客観的かつ繊細な情報を得ることを可能にするために必要なものを検索していきます。 以上の取り組みにより、15OガスPET検査を通じて得られる情報の精度と有用性を高め、慢性腎疾患の適切な診断、治療法の選択につながることを目指します。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.臨床例登録継続のための検査費用。物品費用 2.画像データ、臨床データ管理のための人件費 3.研究成果報告のための旅費 4.アプリケーション設定、定量解析などのための謝金
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