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2023 年度 実施状況報告書

患者由来の腫瘍組織移植モデルと有精鶏卵を用いた、新しい中性子捕捉療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07197
研究機関医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター)

研究代表者

村井 太郎  医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 臨床研究センター 臨床研究部, 主任研究員 (00747602)

研究分担者 岩田 宏満  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40611588)
柴 慎太郎  医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 放射線医学研究部, 主任研究員 (90826950)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード中性子捕捉療法 / 放射線治療
研究実績の概要

①細胞株移植モデルについては、シャーレにて腫瘍細胞(肉腫細胞)を培養し、有精鶏卵に
移植し腫瘍が生着することを確認している。有精鶏卵の孵卵については確立しているが、腫瘍の移植については手技が安定しないため、例数を増やして、生着率を上げることを試みている。
②鶏卵モデルにおけるホウ素薬剤の薬理学的検討
有精鶏卵モデルで中性子捕捉療法を試みるためには、人間と同様に持続投与がよいのか、それとも単回投与でよいのか、投与量も含めて薬物動態のデータが必要である。ホウ素薬剤投与後、腫瘍および血液、正常臓器を定期的に摘出し、ホウ素濃度を経時的にプラズマ発光分光分析機で測定することで有精鶏卵における投与法の確立を試みている。現在、有精鶏卵を用いた場合の血管内投与のみでよいのか、血管内投与は手技としてむつかしいため、経経尿膜的投与についても検討している。また、鶏卵をシャーレ以上で孵卵する実験系(ex ovo)についても検討を行っている。ex ovoだと、血管の視認がしやすいためより簡単に血管内投与できると思われる。このほか、腫瘍をプラズマ発光分光分析機(ICP)にかけるにあたって、腫瘍を灰化する必要がある。腫瘍細胞については硝酸を用いた実験系で測定できることが明らかになった。引き続いて、先行施設に準じて、硝酸濃度を上げて、腫瘍そのものの灰化についても試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

有精鶏卵を孵卵させる系については、手技としては安定してきた。腫瘍の移植については、現段階では腫瘍の生着率が良くない。ただ、先行施設に指導を仰ぐと、これは例数を増やすと安定するとのことである。薬物動態のデータをとるため、血管投与についても実験を繰り返したが、卵殻がかなり障害になっている。卵殻のため良い血管を確保することができない。そこで、卵殻を外して孵卵を行う、ex ovoの系を導入することにした。ex ovoの系が確立できれば、薬物投与などはより簡便にすることができると思われる。ステボロニンについては、基アミノ酸ベースの薬剤であるため、経経尿膜的投与を行っても大きな問題はないと思われる。経尿膜的投与の方が手技としては簡便であるため、より実験はやりやすくなる。

今後の研究の推進方策

①細胞株移植モデルについては、腫瘍細胞(肉腫細胞)を有精鶏卵に移植しているが、生着率がよくないので例数を増やして、生着率を上げる。
②鶏卵モデルにおけるホウ素薬剤の薬理学的検討については有精鶏卵を用いた場合の血管投与のみでよいのか、血管内投与は手技としてむつかしいため、経尿膜的な投与についても検討している。また、鶏卵をシャーレ以上で孵卵する実験系(ex ovo)についても検討を行っている。ホウ素薬剤投与後、腫瘍および血液、正常臓器を定期的に摘出し、ホウ素濃度を経時的にプラズマ発光分光分析機で測定することで有精鶏卵における投与量・投与法を確立する。
③腫瘍組織移植モデルについては、バイオバンクから腫瘍を取り寄せ、ヌードマウスに移植し確立する予定である。今年度中に、先行施設にも伺って検討をする予定である。

次年度使用額が生じた理由

初年度で確実に成果の出そうなものにのみ使用したことから、次年度に繰り越すこととした。追加で有精鶏卵を購入するとともに、中性子捕捉療法に使用するステボロニンについても購入をする予定である。また、患者由来腫瘍組織についてもバイオバンクから購入するため、購入費用が必要である。購入した患者由来組織についてもヌードマウスで継代するため、ヌードマウスの購入費用、施設使用料、飼育代が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)

  • [雑誌論文] A Unique Adverse Event of Radiotherapy in a Patient With IgG4-related Disease: A Case Report2023

    • 著者名/発表者名
      AIMI HISAO、MURAI TARO、TAKINO KAZUKI、NAITO WATARU、MIURA ICHIRO、HATA MASAHARU、INOUE TOMIO、OMURA MOTOKO
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 37 ページ: 2840~2844

    • DOI

      10.21873/invivo.13399

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Actinium-225 Targeted Agents: Where Are We Now?2023

    • 著者名/発表者名
      Mourtada Firas、Tomiyoshi Katsumi、Sims-Mourtada Jennifer、Mukai-Sasaki Yuki、Yagihashi Takayuki、Namiki Yuta、Murai Taro、Yang David J.、Inoue Tomio
    • 雑誌名

      Brachytherapy

      巻: 22 ページ: 697~708

    • DOI

      10.1016/j.brachy.2023.06.228

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Importance of the Number and Location of Lymph Node Metastasis in Oropharyngeal Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      IIDA MASATO、MURAI TARO、KUNO MAYU、OSUMI KENSHIRO、NAKANISHI-IMAI MIKIKO、OKAZAKI DAI、MURASE TAKAYUKI、KAWAKITA DAISUKE、IWASAKI SHINICHI、INAGAKI HIROSHI、TOMITA NATSUO、SHIBAMOTO YUTA、HIWATASHI AKIO
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 37 ページ: 2210~2218

    • DOI

      10.21873/invivo.13321

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Biological effects of prostaglandin E2-EP4 antagonist (AAT-008) in murine colon cancer in vivo: enhancement of immune response to radiotherapy and potential as a radiosensitizer2023

    • 著者名/発表者名
      Manabe Yoshihiko、Takahashi Yutaka、Sugie Chikao、Wang Zhen、Katsuki Shohei、Kondo Takuhito、Murai Taro、Nakashima Masahiro、Takaoka Taiki、Ogawa Kazuhiko、Shibamoto Yuta
    • 雑誌名

      Translational Cancer Research

      巻: 12 ページ: 351~358

    • DOI

      10.21037/tcr-22-1857

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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