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2023 年度 実施状況報告書

子宮内膜がんのリンパ節転移と関連するMRI画像特徴量同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K07209
研究機関札幌医科大学

研究代表者

畠中 正光  札幌医科大学, 医学部, 教授 (40253413)

研究分担者 山 直也  札幌医科大学, 医学部, 講師 (20404709)
斉藤 豪  札幌医科大学, 医学部, 教授 (90145566)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードMRI / texture / uterus / malignancy / node metastasis
研究実績の概要

子宮内膜病変を有することが手術で確認され、術前に骨盤部MRI検査が施行された109症例のtexture featureを抽出し、以下の臨床指標との関連を統計学的に解析した。申請時にも大まかな解析を行っていたが、texture解析時のdata processingの問題が生じたために全てのデータを再度解析しなおしたところ以下の結果を得た。
子宮内膜病変の良悪鑑別に関しては、ADCmapの25%値(AUC=0.924)・ADCmapの50%値および平均値(ともにAUC=0.914)が非常に高い鑑別能を有することが分かった。Type1 vs.2の鑑別に関しては、AUC≧0.8を示すparameterは存在しなかったが、T2WIのGLRM SRE(AUC=0.791)、GLRLM LRHGE(AUC=0.783)が比較的高い鑑別能を有することが分かった。筋層浸潤能に関するT1a vs. 1bの鑑別に関しては、ADCmapから抽出したいくつかのparameterでAUC≧0.7を示すものはあったが≧0.75を示すものはなかった。
リンパ節転移に関しては、T2WIのGLCM Energy(AUC=0.813)・GLCM Entropy(AUC=0.780)が比較的高い鑑別能を示した。リンパ節短径10mm以上ではリンパ節転移を示すと考えられるので、短径10mm以上の症例を除いて解析すると、T2WIのGLCM Energy(AUC=0.741)・GLCM Entropy(AUC=0.701)ともに鑑別能はやや低下した。逆に、DWI(b=1000s/mm2)のGLCM Contrast(AUC=0.803)・GLCM Correlation(AUC=0.806)、ADCmapのGLZLM SZE(AUC=0.826)、GLZLM SZHGE(AUC=0.831)は比較的高い鑑別能を示した。これらのparameterは短径10mm以上のリンパ節を含む場合よりも鑑別能は高くなっており、臨床的に非常に有用であると考えられるがデータの再現性も十分検証して結論する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リンパ節転移の有無に関して有望なparameter候(DWI(b=1000s/mm2)のGLCM Contrast(AUC=0.803)・GLCM Correlation(AUC=0.806)、ADCmapのGLZLM SZE(AUC=0.826)、GLZLM SZHGE(AUC=0.831))が選出された。しかし、臨床応用のためにはデータの再現性も十分検証した上で結論する必要があると考えられるので新たな症例群に対するvalidation study実施が必要となるであろう。

今後の研究の推進方策

子宮内膜病変を有することが手術で確認され、術前に骨盤部MRI検査が施行された109症例のtexture featureを抽出した。
良悪鑑別に関して、ADCmapの25%値(AUC=0.924)・ADCmapの50%値および平均値(AUC=0.914)が非常に高に鑑別能を有していた。しかし、この結果は従来の知見と一致するものであり、新たな知見とは言いにくい。良悪に関しては生検も可能であり臨床的なインパクトはあまり高くない。Type1 vs.2の鑑別および筋層浸潤能に関するT1a vs. 1bの鑑別に関しては、臨床的に有望と思われるparameterは見つけることができていない。
これに対しリンパ節転移の有無の鑑別に関しては、複数の特徴量が比較的高い鑑別能を有することが期待されている。治療開始前にリンパ節転移の有無が評価可能とることの臨床的有用性は非常に高く、今後注力して研究を進めていく必要があると考える。ただし、上述したようにデータの再現性を十分に検証する必要がある。加えて、新たなデータグループでのvalidation studyの必要性についても慎重に検討する必要があると考える。

次年度使用額が生じた理由

本年度は約6万円の残金が生じている。COVID-19終息後の物価高騰、特に東京・大阪方面の宿泊費高騰のために学会や研究会参加を少し控えたことが原因一つと考えられる。今後はより計画的に研究を進めていく所存である。

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公開日: 2024-12-25  

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