研究課題/領域番号 |
23K07211
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
後藤 眞理子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (20605042)
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研究分担者 |
LEBIHAN DENIS 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 招へい研究員 (50748928)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 乳房MRI / 乳癌 / 拡散強調像 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、乳房MRI・短縮拡散強調像(abbreviated DWI)の新規パラメータ(signature index: S Index)による乳腺病変良悪性診断能の向上と最適化、非造影MRI他画像(T1/T2強調像・拡散強調像)画像特徴量の抽出と最適化されたS Indexとの組み合わせによる単純MRIによる乳腺病変良悪性診断能の向上である。 初年度である2023年度は、京都府立医科大学附属病院乳腺外科医の診察後、診療上の必要性があり乳房造影MRIが施行された症例(女性のみ)において、abbreviated DWI の臨床画像を取得。乳房MRI撮影は当院に現有する3テスラMRI 装置で行った。2023年度の新規症例は約50症例あった。取得した abbreviated DWI 画像を解析しS Index の算出を行った。 これまで蓄積した症例とあわせて、臨床的に生検の適応が問題となる BI-RADS category 4 と診断された症例について、S Index の追加により生検の適応決定に寄与しうるかの検討を行った。結果、S Indexは BI-RADS category 4 の乳腺病変に対して、AUC 0.7 程度の良悪性鑑別能を有することが示されたが、特異度が standard ADC に劣ることが示された。このため生検の適応を決定するという臨床的寄与度は standard ADC の方が高いことがわかり、S Index のさらなる診断能の向上が必要であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
乳腺外科の診療方針の変更に伴い、臨床的必要性があり、当施設内で乳房MRIを撮影する症例が減少しているため、症例の集積が大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は診療科と協議し乳房MRI撮影症例の増加(当施設内での撮影)を目指し、症例蓄積を継続する。並行して研究分担者と協力し、まずS Index の診断精度の向上を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析結果は国際学会への発表には至らず旅費が不要となった。次年度以降は、国際学会への発表を目指し旅費として使用したい。またweb会議のため、ネットワーク環境の整備のため周辺機器の購入などに充てる予定である。
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