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2023 年度 実施状況報告書

疾患関連タンパク質複合体に着目した難治性てんかんの病態形成機構解明と治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07259
研究機関日本医科大学

研究代表者

荻原 郁夫  日本医科大学, 医学部, 准教授 (30373286)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードてんかん性脳症 / 疾患プロテオーム / 電位依存性ナトリウムチャネル
研究実績の概要

てんかん性脳症は頻回のけいれん発作に知的・行動・運動の発達遅滞を伴う疾患群であり、コントロール不良で難治なことが多い。遺伝子の突然変異に起因するものもあり、電位依存性ナトリウムチャネルα1(Nav1.1)や線維芽細胞成長因子12(FGF12)、Goタンパク質αサブユニット(Gαo)をコードする遺伝子が原因遺伝子として報告されている。本研究は原因遺伝子間に共通の発症基盤を仮定してNav1.1とFGF12、Gαoの相互作用を解析している。
Nav1.1のN末側、ループI,II,III、C末側にある細胞内ドメインについて、検出を容易にするタグ標識を付加した発現ベクターを領域別に構築した。FGF12とGαoについてもタグ標識を付加したコンストラクト、そして赤色蛍光タンパク質を同時に発現するコンストラクトを作製した。そして、Nav1.1部分領域のうちで十分な発現量が得られたC末端領域について、弱いながらFGF12との結合を認め、構造解析から予測された結合部位へのアミノ酸置換がそのタンパク質間結合の強度を上昇させた。発現量が非常に低いもののN末側領域についてもFGF12との結合を示す可能性が示されている。さらに、Nav1.1部分タンパク質と疾患関連FGF12変異体の結合が示唆されている。
ナトリウムチャネルβ1,2サブユニットと緑色蛍光タンパク質を同時に発現するベクターを作製し、Nav1.1とFGF12と共に培養細胞に強制発現させた。そして、緑色ならびに赤色蛍光を同時に発する細胞にホールセルパッチクランプ法を適用した。FGF12の疾患関連変異体も実験に加え、変異によるNav1.1の電気生理学的性質の変化を解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Nav1.1部分領域発現ベクターについて、C末端領域のみの解析で十分な可能性はあるが、N末側、ループI,II,IIIで十分な発現量が得られておらず、改善を試みている。

今後の研究の推進方策

Nav1.1とFGF12の共発現について、Nav1.1とFGF12に関連するてんかん性脳症に共通の発症基盤が存在するかについてさらなる電気生理学的、免疫組織学的解析を進める。また、Nav1.1とGαoの結合の詳細を生化学的に明らかにし、Gαoとこのタンパク質と共役するグルタミン酸受容体タイプ6(mGluR6)がNav1.1の電気生理学的性質と細胞内局在に及ぼす影響を解析する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)牛胎児血清を含む細胞培養関連試薬やトランスフェクション関連試薬、免疫沈降・ウエスタン関連試薬は大学研究室配分研究経費で購入したものの中から一部を使用させてもらった。
(使用計画)細胞培養関連試薬、免疫沈降・トランスフェクション関連試薬、標本作製用器具、電気生理学的解析試薬を購入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Roles of N-linked glycosylation in mGluR6 cell surface delivery and interaction with ELFN12024

    • 著者名/発表者名
      Akagi Takumi, Shimohata Atsushi, Takeda Ryota, Sakamoto Tomomi, Ogiwara Ikuo, Kaneda Makoto
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
  • [学会発表] Intracellular C-terminal domain of mGluR6 is involved in regulating receptor subcellar localization2024

    • 著者名/発表者名
      Ogiwara Ikuo, Shimohata Atsushi, Akagi Takumi, Kaneda Makoto
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
  • [学会発表] Analysis of interactions between voltage-gated sodium channel Nav1.1 and fibroblast growth factor homologous factor FGF122023

    • 著者名/発表者名
      Ogiwara Ikuo, Yin Chengzhu , Shimohata Atsushi, Gangi Mie, Kaneda Makoto
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
  • [学会発表] The intracellular C-terminal domain of mGluR6 works as a signal for ER retention2023

    • 著者名/発表者名
      Kaneda Makoto, Shimohata Atsushi, Akagi Takumi, Ogiwara Ikuo
    • 学会等名
      The 10th Federation of Asian and Oceanian Physiological Societies Congress

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公開日: 2024-12-25  

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