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2023 年度 実施状況報告書

胎児腸オルガノイドを用いた壊死性腸炎の発生機序の解明と新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07265
研究機関大阪大学

研究代表者

神山 雅史  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20403074)

研究分担者 松木 杏子  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00961765)
奥山 宏臣  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30252670)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード壊死性腸炎 / 腸オルガノイド
研究実績の概要

壊死性腸炎(NEC)は早産・低出生体重児に好発し,周産期医学の進歩した現在においても予後不良な疾患である。腸管の未熟性に感染や虚血などのストレスが加わることで発症すると推測されている。
NECは早期産児に発症するため、 成熟児との違いを網羅的に探索する目的で、胎仔(胎生18.5日)・新生仔(生後10日)・成体 (8週齢)マウスの回腸上皮細胞を用いたRNA-seq解析を行い、α-defensinの産生に関わる遺伝子の発現が、胎仔において顕著に低下して いることを見出した。α-defensinは腸管上皮のPaneth細胞が分泌する抗菌ペプチドであり、Paneth細胞はその機能の発達時期がNECの好発時期に重なることから、NECの病態解明において注目されている。またα-defensinは母乳にも含まれる(Agakidou et al. Journal of Clinical Medicine 2022)ことがわかっており、母乳はNECに対し保護的に働くこ とも報告されていることから、α-defensinによるNECの制御機構の存在が示唆された。
一方、NEC の腸管組織において自然免疫に重要な役割を果たすToll-like receptor (TLR)-4 の発現が亢進していることが報告されており、α-defensinと共に我々はTLR-4に着目している。現時点で、TLR-4に関しては胎仔期から正産期にかけての未熟な腸管におけるその遺伝子発現のスクリーニングは実現に至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究を進めるにあたり、臨床業務、医局業務等のエフォート率が高い状態が継続しており、研究に割く時間が十分に確保できなかったため。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、胎仔期から正産期にかけての未熟な腸管における遺伝子発現のスクリーニングを行い、既報のTLR-4や我々の着目するα-defensinの発現なども含めて標的とする遺伝子・蛋白を明らかにする。胎生後期マウスの小腸を単離・培養することで作成した胎仔腸オルガノイドにおいて、TLR-4やα-defensinなどの標的蛋白の発現を測定し、その経時的な変化を調べる。
また、進捗の遅れに対する対応策として、臨床業務・医局業務の効率化をはかり研究遂行に割くエフォートを上げることが必要である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画通りの進捗が得られていないため使用額が少なくなった。今後の研究の推進方策に基づき使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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