• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

ヒト尿中落下細胞及び新生仔マウス腎を用いた新生児偽性低アルドステロン症の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07289
研究機関神戸大学

研究代表者

藤岡 一路  神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (20568810)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード偽性低アルドステロン症1 型 / アルドステロン不応性 / アルドステロン受容体 / 尿中落下細胞 / 新生児高カリウム血症 / 腎尿細管 / 新生仔マウス / MR遺伝子
研究実績の概要

本研究では、新生児高カリウム(K)血症の原因となる新生児偽性低アルドステロン症(Pseudohypoaldosteronism, PHA)の病態生理を、ヒトおよびマウス検体を用いたin vitro/in vivo実験により明らかにすることを目指す。具体的には、尿中落下細胞を用いた遺伝子発現解析系、および新生仔マウスを用いた病態解析系を用いて、新生児PHAにおける腎尿細管のアルドステロン不応性を証明し、PHA特異的治療としてのNaCl補充療法の作用機序を明らかにする。今年度は、主に下に記載の通り、臨床症例の集積と遺伝子発現解析手法の確立を行った。
1)新生児臨床における新生児偽性低アルドステロン症の診断
新生児PHAの診断基準は、日本新生児成育医学会「稀有疾患サーベイランス」事業の報告基準に基づき、高レニン血症(血漿レニン活性>10 ng/ml/hr)、高アルドステロン血症(アルドステロン>3000 pg/ml)、低Na血症(Na<135 mEq/L)、高K血症(K>6.0 mEq/L)と定義し、診断する。
2)ヒト新生児尿中落下細胞を用いたアルドステロン受容体遺伝子発現解析
a) 尿中落下細胞からのmRNA抽出:Kaitoらの既報(Kaito H, et al. 2007)に基づき、採取・冷凍保存した新生児尿20mlを遠心分離(1500rpm for 10 mins)し、ペレットからRNeasyを用いてRNAを抽出する。cDNAはキットを用いてRTにより作成する。
b) MR遺伝子発現の解析:a)で抽出したmRNA、既報(Martinerie L, et al. 2009)のプライマーおよびPCR条件を用い、MR遺伝子発現を解析し、PHA発症群と対照群で比較することで、PHA発症児における尿細管のアルドステロン不応性(MR低発現)を証明する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現時点で、尿採取、RNA抽出、RT-PCRによるMR遺伝子発現までの一連の実験手技を確立した。その一方、尿中落下細胞から得られるRNAの質が安定しないことがわかったため、定量比較のためにはさらなる条件検討が必要であると判断している。

今後の研究の推進方策

引き続き尿中落下細胞を用いた実験を進めるとともに、血液を用いたMR遺伝子発現解析も並行して開始していく。また、新生仔マウス腎を用いた実験の準備も開始していく。

次年度使用額が生じた理由

尿中落下細胞から得られるRNAの質が安定しないため、まだ定量比較を行える段階ではないと判断している。
条件検討が終われば、当初の計画に則り支出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A nationwide survey of Neonatal Pseudohypoaldosteronism Type-1 in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Nakata Y, Kido T, Ashina M, Nozu K, Fujioka K
    • 学会等名
      22nd Congress of the FAOPS
    • 国際学会
  • [学会発表] 当院で遺伝学的検査を行った偽性低アルドステロン症1型(PHA-1)疑い例の検討2023

    • 著者名/発表者名
      中田 有紀, 増田 祐, 白井 佳祐, 今川 幸人, 城戸 拓海, 芦名 満理子, 藤岡 一路
    • 学会等名
      第67回日本新生児成育医学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi