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2023 年度 実施状況報告書

プロテオーム解析による、重症気管支肺異形成を予測する新規バイオマーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K07318
研究機関岩手医科大学

研究代表者

外舘 玄一朗  岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (70405819)

研究分担者 仲 哲治  岩手医科大学, 医学部, 教授 (30303936)
赤坂 真奈美  岩手医科大学, 医学部, 教授 (00405797)
藤本 穣  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (00379190)
世良田 聡  岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 准教授 (50463302)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードLRG / プロテオーム解析 / 絨毛膜羊膜炎 / バイオマーカー
研究実績の概要

目的)本研究の目的は重症気管支肺異形成を予測するバイオマーカーの同定であった.しかし合併例が少なく,研究目的を「組織学的絨毛膜羊膜炎(histological chorioamnionitis;hCAM)を予測するバイオマーカーの同定」に変更した.
方法)2023年3月から2024年3月までに当院で出生し,新生児集中治療室に入院した新生児のうち在胎32週未満で出生した児は36名であった.hCAMあり群18名となし群18名を比較した.ロジスティック回帰分析とROC曲線を用いて,leucine-rich alpha-2 glycoprotein:LRGなどがhCAMの診断に有用か解析した.
結果)hCAMあり群はなし群と比較し,出生体重が小さく,臍帯血のLRGと母親の白血球数・CRPが高かった.臍帯静脈血のLRGは,hCAMの診断予測に有用であった.特に重症のCAM(blanc分類3)の診断はオッズ比1.994(95%C.I. 1.099-3.618),ROC曲線化面積 0.839(95%C.I. 0.707-0.901),感度 85.7%, 特異度78.6%で母親や児の炎症反応(:白血球数,CRP)よりも診断に有用であった.
考察)IL-6も測定し,LRGとどちらがhCAMの診断に有用か比較する.今後はhCAMある群となし群でプロテオーム解析を行い,LRG以外にもhCAMを早期診断できる新規バイオマーカーを同定する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年3月~2024年3月に当院で出生し,新生児集中治療室に入院した児36名から189検体を採取し,LRGを測定した.
当初は重症気管支肺異形成の予測を目的としていたが,本年度は気管支肺異形成の合併が少なかった.解析すると臍帯血のLRGは絨毛膜羊膜炎の早期診断マーカーとして有用であることが分かった.
臍帯血のIL-6を測定するためのELIZAキットを購入した.
分担研究者が同じ研究室内で、別患者のプロテオーム解析をiTRAQで行い機器が順調に作動していることを確認している.

今後の研究の推進方策

LRGがIL-6と比較し,子宮内感染のバイオマーカーとして有用であるか検討する.
hCAMあり群となし群でプロテオーム解析を行い,診断のバイオマーカーを同定する.
同定された新規バイオマーカーを測定するELIZA法もしくはウエスタンブロット法を確立する.
多施設から検体を集積し,新規バイオマーカーとLRGがhCAMの診断に有用か検討する.

次年度使用額が生じた理由

前年度は気管支肺異形成を合併した例が少なく,予定していたプロテオーム解析を行うことができなかった.
今年度は,気管支肺異形成の原因となることが多い絨毛膜羊膜炎を予測するバイオマーカーにを予測するバイオマーカーの同定に計画を変更してプロテオーム解析を行う。
また、IL-6とLRGを比較するため臍帯血のIL-6計測を行う.
多施設に共同研究を依頼し,多くの臍帯血のLRG測定を行う.

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公開日: 2024-12-25  

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