研究課題/領域番号 |
23K07319
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
蜂屋 瑠見 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (50365318)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 慢性炎症 / エピジェネティクス / マクロファージ / 肥満 |
研究実績の概要 |
メタボリックシンドロームは、代謝性刺激に対し、マクロファージなどの免疫系の炎症応答により生じる低レベルの慢性炎症が基盤病態の一つと考えられているが、慢性炎症を標的とする治療法は未だ開発されていない。申請者らは、マクロファージのH3K9メチル化酵素Setdb1について、in vitroにおいて、感染性刺激であるリポ多糖(LPS)による炎症性サイトカイン発現を抑制すること、in vivo LPS投与モデルにおいても炎症を抑制することを見出した。さらに、Setdb1は、代謝性刺激である飽和脂肪酸による炎症も抑制することを見出した。本研究は、「個体レベルで内在性炎症抑制因子としての役割を確認したSetdb1が、どのような制御機構で代謝性刺激による炎症応答を制御しているのか」を明らかにすること、すなわち、Setdb1による炎症制御機構とSetdb1の活性制御機構を明らかにすることを目的とし、メタボリックシンドロームの慢性炎症を標的とする治療開発への足掛かりとなることを目指す。 初年度である本年度は、これまで申請者が用いてきたSetdb1ノックダウンマクロファージ細胞株を用いたin vitro系について、より安定的かつ明瞭なSetdb1機能喪失実験系を確立するべく、CRISPR-Cas9システムを用いたSetdb1欠損細胞株の作成を行い、構築した実験系の確認を行った。飽和脂肪酸、高血糖、不飽和脂肪酸などの刺激を行ったサンプルの炎症性サイトカインの動態を現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CRISPR-Cas9システムを用いたSetdb1欠損細胞株の作成に時間を要したため
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今後の研究の推進方策 |
肥満の病態生理において重要な飽和脂肪酸刺激下でのマクロファージのSetdb1の意義についてより詳細に解析し、in vivoでの検討や治療標的としての可能性探索に展開していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験系の新たな構築が必要となり、計画通りの実験遂行が困難であったため。次年度に主に物品費として使用予定である。
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