研究課題/領域番号 |
23K07324
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
楠原 浩一 産業医科大学, 名誉教授、学長等, 名誉教授 (20243941)
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研究分担者 |
保科 隆之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30398078)
清水 大輔 産業医科大学, 大学病院, 助教 (20644363)
米田 哲 産業医科大学, 医学部, 診療助教 (10405251)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 川崎病 / 腸内細菌叢 / 網羅的細菌叢解析 / 発症 / 治療反応性 |
研究実績の概要 |
小児期に好発する血管炎症候群である川崎病の原因は不明であるが、腸内細菌叢のバランスの変化(dysbiosis)が発症に関与していることが示唆されている。本研究では、クローンライブラリー法および次世代シーケンサーを用いた16S rRNA遺伝子の解析によって、川崎病患者の急性期と健常小児の腸内細菌叢を比較し、川崎病発症への腸内細菌叢のdysbiosisの関与について検討する。また、我々の過去の研究において、川崎病患者の治療反応性についても、川崎病の発症を誘発することが疑われている病原体によって異なる可能性が示唆されたことから、初期治療(免疫グロブリン大量療法)反応例と不応例の急性期の腸内細菌叢を比較し、治療反応性に対する腸内細菌叢のdysbiosisの影響についても検討する。 令和5年度は、川崎病症例および健常小児から採取した便検体を用いて、腸内細菌叢の多様性について比較検討を行った。その結果、両群間で腸内細菌叢の多様性に違いはなく、川崎病症例群において、特定の細菌属が有意に増加していることもなかった。一方、川崎病症例群を初期治療に反応した群と不応であった群に分けて腸内細菌叢の変化について比較を行ったところ、両群間の腸内細菌叢の多様性に違いはみられなかったものの、不応群では、反応群と比較してPeptostreptococcaceae科の細菌の検出頻度が有意に高いことが明らかになった。この違いが治療反応性に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度から研究を開始したが、対象症例数が順調に増え、解析も可能となっていることから、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在の症例数で研究の方向性が示されていることから、引き続き、データ解析を進め、得られた結果の解釈を行う。
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