• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

新生児低酸素性虚血性脳症における脂肪酸代謝産物の動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07343
研究機関順天堂大学

研究代表者

菅沼 広樹  順天堂大学, 医学部, 助教 (60568004)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードオキシリピン
研究実績の概要

ラットの脳を約100mg採取し、液体窒素で極低温に凍結し、ステンレス片とともに振盪することで凍結粉砕を行った。粉砕した試料にメタノールを加え撹拌することで粗抽出をおこなった。試料の濃縮と清浄化を目的に固相抽出(solid-phase extraction)カートリッジによる再抽出をおこなった。再抽出した試料はLC-MS/MSを使用しオキシリピンを網羅的に解析した。今回の測定方法では、リノール酸由来8種類、アラキドン酸由来42種類、αリノレイン酸由来2種類、エイコサペンタエン酸由来8種類、DHA由来30種類のオキシリピンが一斉に測定可能となった。また、固相抽出を行うことにより脳組織に含まれるオキシリピンを濃縮することにより、極微量のオキシリピンも測定可能となった。
日齢7の仔ラットを使用し、片側の頸動脈を結紮後、酸素濃度8%を90分間負荷した。負荷前、負荷3時間後、12時間後の虚血側脳からオキシリピンを抽出し、LC-MS/MSを用いて網羅的に測定した。リノール酸由来のオキシリピンは8種類検出したが、経時的変化は認めなかった。アラキドン酸由来のオキシリピンは13種類検出した。経時的変化ではLTB4と8-HETEが有意に経時的な上昇を認めた。αリノレイン酸由来のオキシリピンは2種類検出したが、経時的な変化は認めなかった。EPA由来のオキシリピンは3種類検出したが、経時的変化は認めなかった。DHA由来のオキシリピンは20種類検出し、10,11-DiHDPAが有意に経時的な上昇を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オキシリピンを測定するためのスタンダードの導入に時間を要するため、当初の計画より遅れている。また、機械トラブルによる測定不能時期があったため、測定に時間を要している。

今後の研究の推進方策

妊娠7日目よりDHA強化餌または標準餌を開始する。HIEモデルを作成して、DHA強化餌または標準餌群の脳内のオキシリピンを測定する予定である。

次年度使用額が生じた理由

試薬の注文や調節に時間を要した。また、測定機械類の故障などにより計画通りの使用額にならなかった。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi