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2023 年度 実施状況報告書

B型肝炎ウイルスの病原性に関わるウイルスゲノム改変宿主因子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K07365
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

喜多村 晃一  国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (70378892)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードB方肝炎ウイルス / ウイルス変異
研究実績の概要

B型肝炎ウイルス(HBV)は肝臓の主要な発がんウイルスで、感染者数は世界で約2.9億人と推定されている。HBV慢性感染により、肝炎から肝硬変や肝がんへと進行していくが、この感染の持続にはcovalently closed circular DNA(cccDNA)と呼ばれるウイルスDNAが感染細胞核内でミニ染色体として存在することが必須である。現在これを除去する有効な治療法は無く、B型肝炎の根治が難しい理由となっている。我々はこれまでの研究でcccDNAに高頻度突然変異やDNA分解を引き起こすウイルスゲノム改変因子、cccDNA形成や変異修復に関わる宿主DNA修復因子を複数同定してきた。本研究では、cccDNA改変分子機構の詳細な解析と、改変作用の結果生じる病態変化を明らかにし、その病理学的役割の解明をめざす。本年度は、網羅的な変異解析の基盤技術構築を目的として、Nanoporeシークエンスの精度についてバージョンアップされたフローセルR10.4.1を用いた検討を行った。ロングリード解析を可能とするNanoporeシークエンスは同一塩基が連続する配列においてbasecallingの精度に問題があったが、新たなフローセルでこの点を改善することができた。これまでの知見から、APOBEC3Gは連続する塩基(マイナス鎖のC)にpreferenceがあるので、この点の改善は重要である。今後は計画どおりこれを用いてcccDNA変異パターンの解析をrolling circle amplification(RCA)法と組み合わせてロングリードで行い、変異導入因子と修復因子の変動によるcccDNA変異の全容を明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HBVに変異を導入する宿主因子APOBEC3GはCpC dinucleotideをターゲットとしやすいが、Nanoporeシークエンスはこのような連続する同一塩基にエラーが起きやすいという問題があった。R10.4.1フローセルにすることで、この問題が改善されより正確なデータを得ることができる。

今後の研究の推進方策

次世代シークエンスによるcccDNAのロングリード解析の準備ができたので、引き続きDNA改変因子の作用について検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

Nanoporeシークエンスの一部の消耗品は使用期限が短く、次年度に使用することが効率的であると考えたため。次年度の消耗品購入等にあてる。

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公開日: 2024-12-25  

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