研究課題/領域番号 |
23K07370
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
遠藤 壮登 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (20837893)
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研究分担者 |
小田 竜也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 難治がん / IPMN / PDAC |
研究実績の概要 |
難治がんの代表である膵癌は発生経路から2種類に大別される。膵上皮内腫瘍性病変を経由する浸潤性膵管癌(PDAC)と、膵管内乳頭粘液性腫瘍に(IPMN)に由来する癌(IPMC)である。両病変における分子機構の相違は不明点が多く、その解明は新規治療標的の抽出に必ず寄与する。申請者らはIPMNサブタイプの中の腸型に着目し、IPMNからIPMCへと悪性形質を誘導する分子Atoh1を発見した。さらに構築したIPMCモデルからPDACと共通する分子を複数同定したことから、PDAC、IPMC共通の治療標的となる可能性が示唆された。中でもGPA33は他癌腫で標的分子として創薬も進んでおり、早期の臨床応用が期待される。本研究では、上述のIPMCモデルから共通の新規治療標的となる分子を抽出し、切除検体を用いて発現解析や臨床経過を解析する。またIPMCモデルやPDAC、IPMC由来のオルガノイドを用いた機能解析や標的薬の効果検証を行い、新規治療標的薬の創薬に向けた基盤を確立する。 GPA33は申請者らがIPMCでの発現を初めて報告した。大腸癌においては95%以上で発現しており、GPA33抗体の開発が進行している。今年度は倫理審査委員会に承認のもと、当院の切除検体100症例(IPMC 40症例、およびPDAC 60症例)を対象にGPA33の発現を免疫染色で確認し、陽性率を算出した。さらに、ヒト膵癌細胞株であるPanc1細胞と比較して、Atoh1を導入したIPMCモデルにて有意に発現している因子を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した計画に基づくて研究を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
IPMN、PDAC検体を用いて、引き続き病態に関与する因子の発現解析を行い、治療抵抗性、予後との関連を評価する予定である。また、新規病態因子を抽出しその機能解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫染色委託解析に主に使用したが、ほぼ予定通りの使用額である。学内への委託のため当初よりもやや安価であったため。 次年度も免疫染色委託、細胞機能解析に使用する計画である。
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