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2023 年度 実施状況報告書

陥凹型早期癌のオルガノイドを用いた大腸癌浸潤・転移の再現と機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07382
研究機関昭和大学

研究代表者

工藤 進英  昭和大学, 医学部, 特任教授 (70161643)

研究分担者 佐藤 俊朗  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (70365245)
三森 功士  九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
宮地 英行  昭和大学, 医学部, 客員教授 (10459208)
神山 勇太  昭和大学, 医学部, 助教 (40621719)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード陥凹型早期大腸癌 / 患者由来オルガノイド
研究実績の概要

早期大腸癌はその形により隆起型、平坦型、陥凹型の3種類の肉眼型に分類されるが、そのうち陥凹型は大きさが10mm以下と小さいうちから浸潤・転移をきたすことが知られている。本研究では腺腫、早期大腸がんを含む種々の肉眼型の大腸腫瘍から患者由来オルガノイドを樹立することで、なぜ一部の癌が陥凹型の形態を呈するのか?陥凹型は小型にもかかわらずなぜ強い浸潤・転移傾向を示すのか?を明らかにし、早期癌の発育進展の再現、大腸癌の浸潤・転移の全容解明を目指している。
令和5年度は内視鏡により生体から直接検体を採取し、慶応大学で患者由来オルガノイドの樹立に成功した。これまでオルガノイドの樹立は外科切除した手術検体から細胞を採取することで行っていたが、本研究では内視鏡を用いて生体からの採取を行うことで手術検体と比較して新鮮な状態の細胞を採取することができた。早期大腸癌、特に同じ深達度でもサイズの小さい陥凹型からの樹立を行うため、可能な限り少量の検体からの樹立を目指した。内視鏡診断を用いて、最深部を予想し、最深部以外から検体を採取することで病理診断に影響のない箇所からの採取を行った。最初の数例は検体サイズが小さく樹立が失敗した症例もあったが、生検鉗子のサイズを大きくし、なるべく深部からの検体採取を行うことで少ない検体(生検1回分)からでも安定した樹立が可能になった。樹立法を確立するために最初の数例は非陥凹型の症例で樹立を試み、その後陥凹型の症例での樹立も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度中に10例の大腸腫瘍から採取を行い、計8例の患者由来オルガノイドの樹立に成功した。
当初予定していた症例数は陥凹型5症例、非陥凹型5症例の合計10症例であったが、実際に樹立できた症例数は陥凹型は予定より少ない1症例、非陥凹型は予定より多い7症例であった。陥凹型癌の症例数が少ない理由としては昭和大学横浜市北部病院にて陥凹型癌の症例があまり集まらなかったことが原因と考えられる。

今後の研究の推進方策

令和6年度以降は陥凹型を中心に症例集積を継続する。陥凹型の症例数を増やすために昭和大学横浜市北部病院消化器センター内での情報の周知、情報共有をより一層重点的に行う予定とした。また、樹立したオルガノイドを用いて各種実験やマウスへの移植を行い、陥凹型癌の浸潤能の高さの証明、生体内での再現を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

検体の採取に用いる器材は通常業務で使用する器材を使用できたため、昭和大学横浜市北部病院での支出は限定的なものとなった。令和6年度以降は実際に樹立培養を行う慶応大学や遺伝子解析を行う九州大学の分担金割合を増やすこととした。また、臨床検体を用いた追加の実験の費用、各種発表や検討会開催の費用を昭和大学横浜市北部の分担金から支出する。

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公開日: 2024-12-25  

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