研究課題/領域番号 |
23K07396
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 弘志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90398024)
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研究分担者 |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10284994)
岡田 泰行 徳島大学, 病院, 助教 (60815447)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 膵癌 / miRNA / 術前化学療法 / AI |
研究実績の概要 |
本研究では切除可能膵癌の術前化学療法の効果を予測するmiRNAパネルを構築することを目的としている。現在までに切除可能膵癌35例の治療前血清からRNAを抽出している。さらに、治療群を奏功群、非奏功群に分けて、miRNAを次世代RNAシークエンス(RNA-Seq)により網羅的に解析を進めている。今後は、miRNAプロファイルを作製し、治療効果を複数のmiRNA値からAI診断するモデルを作製する。そして得られたmiRNAの発現データをAIに機械学習させることで各治療の効果を予測する複数のmiRNAを同定する予定である。さらに、AIで同定された複数のmiRNAを組み合わせて最適な効果予測モデル式を構築するためにトレーニングコホートとしてGemcitabine/S-1療法群の血清も収集している。さらに、バリデーションコホートで用いる治療前血清の収集も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究ではこれまでに集めた症例に加え、新規の膵癌症例から血液サンプルを集める必要があったが、予定より集まった症例が少なかったため症例の蓄積に時間を要している。さらに、術前化学療法のレジメンが多種類にわたり、治療レジメンごとに検討を要するため、さらに多くの症例が必要となっている。また、これまでに集積した症例の臨床データの収集にも時間を要したためやや遅れていると評価した。しかしながら、まだRNAを抽出し、miRNAの発現を測定できていない膵癌症例も存在しており、検討予定であった他のmiRNAの発現についてはすべての症例で検討を行えていない状況であるものの、今後においては検討に必要な器具はそろっておりすべての症例で発現を測定し、miRNAパネルの構築を期待できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き被検者より血清サンプルの収集を進める。さらに膵癌の術前化学療法ごとのデータ解析を行い、さらに臨床に即した術前化学療法選択の最適なAIモデル式を構築する予定である。関連病院からの血清サンプル収集も並行して行い、別のvalidationコホートでの検証を計画通りに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
術前化学療法症例の集積が遅れていること、術前化学療法の種類が増加したことにより、それぞれの化学療法ごとの症例集積も必要となったために、RNA抽出、その後のRNA-Seqへと進める症例が先延ばしになっているため次年度使用額が発生した。今後、積極的に症例集積を進め、予定しているmiRNAパネルを構築し、validationコホートでの検証を進め、その費用として使用する予定である。
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