研究実績の概要 |
1)腸炎におけるHMGCSの機能解析:腸管上皮特異的HMGCS2欠損マウスでは、controlマウスと比較して実験的腸炎(DSS)の重症度が有意に高くなった。重症度については、組織学的重症度およびDisease activity index、体重変化を用いて検討した。また、腸管の炎症メディエーターの発現をQPCRで確認し、腸管上皮特異的HMGCS2欠損マウスで有意に上昇していることが確認された。2)1) 内視鏡生検検体および外科検体を用いたHMGCS2の発現の検討 ①健常者および②炎症性腸疾患(IBD)患者の内視鏡生検検体および手術標本を用いてHMGCS2mRNA発現をreal-time PCR法で検討した。活動性IBD患者の腸管粘膜では健常人と比較してHMGCS2mRNAが有意に低下していた。3)HMGCS2蛋白発現を免疫染色法を用いたHMGCS2の局在検索を含めて検討 HMGCS2の発現は腸管上皮細胞に強く発現した。その発現は、IBD患者では健常人と比較して著明に低下していた。4)HMGCS2が低下する機序の検討。 ①腸管上皮細胞株(CaCO2,T84,HT29)を用いて、様々なサイトカインで刺激を加えて、HMGCS2の発現をQPCRで検討した。その結果、TNF-α刺激でcontrolと比較して有意な低下がみられた。5)代謝産物βOHBの産生の確認 ①腸管上皮細胞株(CaCO2,T84,HT29)を用いて、様々なサイトカインで刺激を加えて、βOHBの発現をQPCRで検討した。その結果、TNF-α刺激でcontrolと比較して有意な低下がみられた。
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