研究分担者 |
岩室 雅也 岡山大学, 大学病院, 助教 (30645403)
大西 秀樹 岡山大学, 大学病院, 講師 (30595468)
堀口 繁 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70761104)
内田 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (50749215)
竹内 康人 岡山大学, 大学病院, 講師 (70814200)
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研究実績の概要 |
がん患者からの末梢血循環がん細胞(CTC)検出に先立って、培養がん細胞を用い、疑似患者血液を作成して、バイオチップによるがん細胞検出及びがん幹細胞検出が可能かどうかの検証を行った。健常者血液に、培養がん細胞(肝がん:Hep3B, Huh7, 膵がん:AsPC-1, Panc1、MIAPaCa-2)を一定の割合(10万個/mL, 1万個/mL, 1千個/mL)で混合し、Lymphoprep(Serumwerk社)比重密度勾配遠心法及びEasySepPBMC(Stemcell Technologies社)マグネットビーズ法で、がん細胞を含む末梢血単核細胞(PBMC)分画を分離した。いずれの方法でも、PBMC分画にがん細胞の存在を確認することが可能であった。さらに、がん細胞含有PBMC分画をバイオチップ及びCRESTコートスライドグラス(松浪硝子工業)上に展開し、抗pan-サイトケラチン抗体を用いて蛍光免疫染色を行い、がん細胞を同定した。また、抗CD45抗体を用いて白血球を蛍光免疫染色してがん細胞以外の細胞を除外した。これらの検討から、血液中のがん細胞は、Lymphoprep比重密度勾配遠心法及びEasySepPBMCマグネットビーズ法で分離が可能であることを確認した。また、抗EpCAM抗体を用いてがん幹細胞の検出も試みた。抗EpCAM抗体を用いた検討では、がん細胞の一部にEpCAM陽性細胞を確認することができ、先述の方法でがん幹細胞も検出可能であることが検証された。
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今後の研究の推進方策 |
今後、川崎医科大学総合医療センターにおいて、がん細胞及びがん幹細胞の検出ができるように実験室を整備していく。その後、岡山大学病院および川崎医科大学総合医療センターにおいて肝がんおよび膵がん患者の血液解析ができるように新たに研究計画の倫理委員会申請を行う。その後抗がん剤治療前後で末梢血の採取を行い血液循環がん細胞(CTC)及び血液循環がん幹細胞(CSC)の評価を行っていく。培養細胞における検討では、肝がん細胞(Hep3B, PLC, Huh7, HLE, SK-Hep1)及び膵がん細胞(AsPC-1, Panc-1, MIAPaCa2, SUIT-2)を用いる。抗がん剤は、肝がん細胞に対しては、cisplatin, sorafenib, regorafenib, lenvatinibを用いる。また、膵がん細胞に対しては、cisplatin, gemcitabinを用いる。抗がん剤を付加して培養がん細胞を培養し、バイオチップとCRESTスライドグラスに展開し、がん細胞は、抗panサイトケラチン抗体及び抗Hep per 1抗体, 抗Cyp7a1抗体を用いて同定する。また、がん幹細胞の検出は、抗EpCAM抗体, 抗CD44抗体, 抗CD24抗体, 抗CD133抗体, 抗CD90抗体を用いて同定する。抗がん剤に加えてAd-REIC遺伝子治療薬のがん幹細胞に対する効果も検証する。更に、マウスモデルを作成してAd-REICのがん幹細胞に対する効果についても検証する。
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