研究課題/領域番号 |
23K07473
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 隆行 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40836441)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / 家族性大動脈瘤/解離 / シングルセルRNA解析 |
研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)については、ヒト肺動脈性肺高血圧症(PAH)家系におけるBMPR2変異をマウスに導入したが(Bmpr2-KIマウス)、右室圧上昇および右心肥大所見は認めず、PAH発症にはいたらなかった。そのため、低酸素誘導PAHモデルにおいてその代償に大きな役割を果たしているPGC1-aを内皮細胞特異的にノックアウトしたところ右室圧上昇および右心肥大を認め、PAH発症に至った。また肺血管内膜増殖や叢状病変といった、マウスでは再現困難であった重症病変を認め、新規PAHモデルマウスとしての確立に成功した。またこのマウスの肺をシングル核RNAシーケンス解析したところ、変異モデル特異的な内皮細胞の亜集団を認め、病態への関与が疑われた。 家族性大動脈瘤/解離(TAAD)においては、ヒトTAAD家系で認めたMYH11変異を模した変異をマウスに導入したところ(Myh11-KIマウス)、大動脈基部、上行大動脈の瘤形成を認め、新規モデルの確立に成功した。またすでに存在しているロイスディーツ症候群モデルマウス(LDSマウス)において、骨髄球特異的にTgfbr2を欠損させると、大動脈瘤形成が軽減された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PAH、TAADの両者において新規動物モデルの作成に成功し、またPAHにおいてはシングルセルRNA解析を行うことにより、病的な細胞亜集団の特定に至ったため。
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今後の研究の推進方策 |
新規PAHモデルについては、病的な細胞亜集団に特異的な因子、シグナルを同定し、治療介入の対象となりうるかについての検討を行う。新規TAADモデルおよびLDSモデルについてはRNAシーケンスなどを行い、病態に関与する因子の同定を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度で行うRNAシーケンス提出が間に合わず、次年度に 行う予定となったため。
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