研究課題/領域番号 |
23K07511
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 迪夫 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特任助教 (10833410)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | non coding RNA / 心不全 / ミトコンドリア / DNA損傷応答 |
研究実績の概要 |
申請者がこれまでに同定したlong non-coding Caren:cardiomyocyte-enriched noncoding transcriptは心筋細胞の細胞質に高発現し、心臓保護作用を示す。これまで、 Carenの心臓保護作用について、①Hint1: Histidine Triad Nucleotide-Binding Protein 1の翻訳を抑制することにより、ATM:Ataxia Telangiectasia Mutatedのリン酸化を介したDNA損傷応答を軽減する、②ミトコンドリア生合成を亢進させることによるエネルギー代謝の改善、の2つの独立した作用機序を解明してきた。しかし、P19Cl9細胞を用いた実験の結果、Hint1 knock downにより、Tfam:Transcription Factor A, Mitochondrial 、Nrf2: Nuclear Factor Erythroid 2-Related Factor 2などミトコンドリア生合成を正に制御する遺伝子の発現が亢進することを見出した。この結果を受けて、Carenによるミトコンドリア生合成亢進は、Hint1制御を介した作用であることが示唆されたため、Hint1の転写因子としての側面に着目して、研究を進めている。一方、CarenのHeart Failure preserved Ejection Fraction:HFpEFに対する心臓保護作用を評価するため、新規HFpEFモデルの作製に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Long non-coding RNA Carenの作用機序解明について、これまで独立した作用と考えていたHint1抑制とミトコンドリア生合成亢進が、Hint1を介した作用として説明できる可能性が見出され、Carenのメカニズム理解が進んでいることから、研究は順調に進行していると考えている。一方で、ヒトCAREN Tgマウスを用いた解析について、HFpEF: Heart Failure preserved Ejection Fractionモデルの確立が遅れていることから、ヒトCARENによる心臓保護作用の評価・解析が遅れている。しかし、独自のHFpEFモデルの開発に目途が立ち、このモデルを用いたHFpEFの分子基盤解明とCarenによる治療効果の検証も期待される。
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今後の研究の推進方策 |
Hint1の転写因子としての作用メカニズム解析を引き続き行うことと並行して、ヒトCAREN Tgマウスの心臓保護作用のメカニズムについて検証を行う。そのために、TACを用いた圧負荷誘導性心不全モデルのみならず、確立を進めているHFpEFモデルを用いた解析も期待される。
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