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2023 年度 実施状況報告書

DPP4によるM2マクロファージ分極化抑制と動脈硬化進展の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07533
研究機関熊本大学

研究代表者

松村 剛  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)

研究分担者 西田 彩子  熊本大学, 病院, 医員 (80967117)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードDPP-4 / マクロファージ / 分極化 / 動脈硬化
研究実績の概要

本研究は、ADA結合領域に変異を加えたDPP4を有するMφの分極化への影響と、同変異を加えた遺伝子改変マウスの動脈硬化進展への影響を観察し、DPP4の動脈硬化進展への関与機序を解明することを目的としている。
①ADA結合領域の遺伝子改変を行ったDPP4発現ベクターの作成とその機能解析
1) DPP4とADAとの結合に重要なアミノ酸配列である、マウスDPP4遺伝子の翻訳開始点より下流853~858の塩基対に対応するアミノ酸(Ala, Ser)、下流1012~1014の塩基対に対応するアミノ酸(Gln)の2つの遺伝子配列群に変異を加えた2種類の変異DPP4発現ベクター(m1DPP4, m2DPP4)と、野生型(wt)DPP4発現ベクター(wtDPP4)を作成した。2) Mφ系腫瘍細胞であるRAW264.7細胞に作成した3種類のベクターを遺伝子導入し、48時間培養後、細胞のlysateを回収し、ADA活性の違いを観察したところ、m1DPP4, m2DPP4ともにADA活性が増強した。3)同細胞のlysateを用いた免疫沈降ウエスタンブロットを施行したところ、3種類の変異DPP4でのADA結合能の低下を認めた。
②mxDPP4遺伝子改変マウスおよびmDPP4/apoE欠損マウス作製としての,変異マウス構築用ベクター作成とES細胞への導入
1) 前述のin vitro実験で得られたADA結合活性を逸したm1DPP4ベクターを基に,DPP4の遺伝子座に目的の遺伝子変異を導入可能なLoxPシステム導入用遺伝子改変ベクターを構築した。2) m1DPP4flox/+マウス作製用の同遺伝子をCRISPER-Cas法を用いてES細胞へ導入した。3) 現在、m1DPP4flox/+マウスの繁殖待ちの状態である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子改変ベクターの構築と発現ベクターの機能解析が終了、また総遺伝子のES細胞導入まで進展しており、おおむね順調に進んでいると判断している。

今後の研究の推進方策

①m1DPP4)をモチーフとしたAdenoQuick Cloning Systemを用いてDPP4発現アデノベクター(Ad-wtDPP4、Ad-m1DPP4)を作成し、マウス骨髄由来Mφ(mBMM)に作成したウイルスを感染させ、炎症刺激(LPS+IFN-γ)による古典的活性化マクロファージ(M1)及びM2関連mRNA(M1: Inos,Tnfa, Mcp1, M2: Arg1, Ym1, Mgl2)発現(Real-time RT-PCR法)や、M1、M2の極性の変化(フローサイトメトリー法)へのm1DPP4の影響をwtDPP4との比較で解析する。
②m1DPP4flox/+マウスと、タモキシフェン誘導性のマクロファージ特異的にLoxP発現
可能なLysM-Cre ERT2マウス(ジャクソン研究所より購入)とを交配させ、Mφ特異的でか
つタモキシフェンで誘導可能なm1DPP4改変マウス(mmxDPP4マウス)を作製、さらに得られたmm1DPP4マウスと動脈硬化モデルマウス(apoE-/-マウス)を交配させ、m1DPP4/apoE-/-マウスを作成する。このマウスを用いて、動脈硬化進展への影響を観察する。

次年度使用額が生じた理由

CRISPER-Cas法によるES細胞への遺伝子導入と、キメラマウス作製費用については、作業終了し、マウスの引き渡しが行われたのちに当該施設より請求されるため、次年度使用額として残した。

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公開日: 2024-12-25  

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