研究課題/領域番号 |
23K07559
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中西 直彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10637911)
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研究分担者 |
的場 聖明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10305576)
梶山 葉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50398369)
猪飼 宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70522209)
西 真宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80957241)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 成人先天性心疾患 / 移行期医療 / 経カテーテル的肺動脈弁留置術 |
研究実績の概要 |
先天性心疾患に対する外科治療の進歩に伴い、成人先天性心疾患(ACHD)患者の数は増加の一途をたどっているが、その移行期医療や術後遠隔期の合併症治療を含むACHD診療体制は未だ確立されていない。そこで本研究では、National Databaseを用いてACHD患者の移行期医療の実態を明らかにし、その問題点を抽出して臨床現場へ応用し、また経カテーテル的肺動脈弁留置術(TPVI)による右室の質的改善効果を検討することで、ACHD患者に対する生涯医療と適切な治療提供の体制を構築することを目的とし検討を行った。 National Databaseを用いた検討においては、2011年から2021年に先天性心疾患の主病名を持つ患者データ(ICD-10のQ20~Q26)のNDBレセプトデータ特別抽出を申請し承諾を得ており、現在データを待っている段階である。抽出データが得られたら年代別や疾患別における通院・入院状況ならびに経年的なACHD患者の通院状況を検討し、医療の質指標としてBNP採血や心エコー図、心臓カテーテル検査の年間実施頻度などを検証する予定である。 ACHD患者・家族・医療者へのアンケート調査によるトランジション阻害因子の検討に関しては、1997年から2023年までに当院にて先天性心疾患に対して手術を施行された約3600症例の入院記録および手術記録を収集・データベース化を行った。これらの患者のうち現在成人している患者を対象として、Transition Readiness Assessment Questionnaire日本語版ならびに現在の受診状況などに関するアンケートを該当する患者へ送付し、回収したアンケート結果を元に移行期医療の障害となっている因子をより詳細に検討する予定である。 TPVI前後における右室T1 mapping変化の検討に関しても現在3症例のデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
National Databaseの抽出作業に関してもおおむね計画通りに進んでおり、今年度中にデータが取得できる予定である。またアンケート調査に関してもデータベースの構築が出来た。今後アンケートを送付していく段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はNational Database抽出データが得られればデータベースの構築を行い解析を進めていく。アンケート調査においては患者へ実際にアンケートを送付し、得られたアンケート結果より成人期移行の障害となっている因子の探索や通院中断に至る原因に関してより詳細に検討を行う。また移行期医療においては患者の両親ならびに医療者側の認識も重要であるため、アンケート調査を患者の両親および各病院の小児科・循環器内科医師にも行い、移行期医療の阻害因子を患者・両親・医療者の多方面から検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
National Databaesからのデータ抽出費用の支払いが次年度にずれ込んだだめ。
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