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2023 年度 実施状況報告書

重症三尖弁閉鎖不全に対する包括的治療指針の策定に資する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K07591
研究機関公益財団法人榊原記念財団(臨床研究施設・研究部門)

研究代表者

北村 光信  公益財団法人榊原記念財団(臨床研究施設・研究部門), 内科医局, 医長 (90557464)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード三尖弁閉鎖不全症 / 三尖弁形成術 / 心不全レジストリー / 心臓MRI
研究実績の概要

解析① 三尖弁構造の解剖学的検討:倫理委員会の承認を得て手術チームの協力を得て2023年1月より調査を開始した。三尖弁の形態、弁葉のサイズ、腱索の数と位置、乳頭筋の構造などを詳細に調査した。経皮的三尖弁接合修復術では前尖-中隔尖間へのedge-to-edge repairが主体であるため、術中の注意深い観察が必要であり、今後の解析で正確な非侵襲的評価につながることが期待される。

解析② 重症三尖弁閉鎖不全における右室-三尖弁複合体の形態機能評価:2022年11月より、心臓MRIを用いて三尖弁逆流および右室形態機能評価を開始した。心臓MRIによる右室形態機能解析は登録症例の約1/3に実施可能で、未実施の理由として認知症、ADL低下、ペースメーカーや人工弁植込み後によるMRI撮像困難が挙げられた。

解析③ 多施設心不全レジストリーにおける重症三尖弁閉鎖不全症例のコホート解析:WET-HF 三尖弁閉鎖不全コホートの解析結果を第71回日本心臓病学会シンポジウム(2023年9月8日、東京)で報告した。さらに、心不全の背景となる左心疾患の原因別に生命予後および心不全再入院に与える影響を解析し、第88回日本循環器学会総会(2024年3月8日、神戸)で報告した。左心弁膜症疾患と比較して、左室疾患を背景とした症例では三尖弁閉鎖不全が生命予後とのより強い関連が明らかとなった。これらの研究成果を原著論文として投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多施設レジストリーデータベースを用いた研究成果は、初年度内に国内学会で発表し論文掲載にむけて投稿中である。ほかの前向き登録研究は順調に症例数を増やしており、目標症例数達成後にデータ解析を予定している。

今後の研究の推進方策

現在投稿中の原著論文を英文医学誌に掲載し、三尖弁閉鎖不全症の至適治療時期および治療戦略に有用な研究に発展させていく。多数の患者データを取り扱うためデータマネージャーによるデータ収集および調査遂行の効率化を行う。若手研究者の研究チームへの参画を促し定期的なリサーチミーティング(月2回)を行い、テーマ立案と学会発表にむけて指導を行い課題の推進につなげていく。

次年度使用額が生じた理由

既存の研究環境を利用し経費の節約を図りEDC構築の費用が大幅に軽減できた。一方、2024年4月よりリサーチコーディネーターの雇用のため経費増大が見込まれるため、次年度への繰り越しとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Impacts of Tricuspid Regurgitation on Outcomes after Heart Failure with Left-sided CardiacDisease: from WET-HF Registries2024

    • 著者名/発表者名
      Kitamura M
    • 学会等名
      第88回日本循環器学会総会
  • [学会発表] 急性非代償性心不全における重症三尖弁閉鎖不全症の臨床意義:多施設心不全WET-HFレジストリ―から至適介入時期を考える2023

    • 著者名/発表者名
      北村 光信
    • 学会等名
      第71回日本心臓病学会
  • [学会発表] 最新の三尖弁治療:弁膜症カテーテル治療 その先へ2023

    • 著者名/発表者名
      北村 光信
    • 学会等名
      第13回日本心臓弁膜症学会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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