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2023 年度 実施状況報告書

肺癌微小環境再現性オルガノイド樹立による病態メカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07595
研究機関筑波大学

研究代表者

鈴木 敏夫  筑波大学, 医学医療系 臨床腫瘍学/腫瘍内科, 講師 (70771856)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード肺癌オルガノイド / 癌ニッチ / 空間的トランスクリプト―ム / 細胞間相互作用 / オルガノイド創薬 / 薬剤耐性 / EGFR変異 / 患者由来オルガノイド
研究実績の概要

2023年度は肺癌患者より単離した癌細胞を用いたオルガノイド樹立を試みた。癌細胞単独でよりも、肺線維芽細胞共培養下、さらにiPS細胞由来健常下気道細胞との特殊共培養下での方が導出効率が高いことが明らかになった。後者においては実際の患者肺がんサンプルの組織像を模倣できており、既報のオルガノイドよりもよりニッチ環境生体模倣性のあるオルガノイドを樹立することに成功し、幹細胞医学領域における培養技術を癌領域に転用することに一定の成功を確認できた。以上を腺癌および扁平上皮癌モデルで技術確立した。また、オルガノイドのラベルフリー品質管理の一環として、OCTによる評価も実施した。
次に、先進ゲノム支援の技術支援を受け、EGFR変異肺癌オルガノイドのXeniumi in situ解析を実施し、Cell neighborhood ananlysesによるcell cell interactionが定量可能であることを明らかにした。EGFR-TKIによるdrug tolerant persisterオルガノイドモデルでの癌ニッチ相互作用の定量化に成功し、オルガノイド創薬のプラットフォームとして発展し得る可能性が示唆された。2023年度のcell segmentation技術では、細胞認識/定義がDAPI間の距離による大まかなcell segmentationであったため、割合としては多くはないが、単一細胞と認識した区画に一定の確率で多種の細胞がoverlapしている可能性がある部位を指摘し得た。2024年度における改善必要項目と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

想定していたよりも早期の段階で、肺癌オルガノイド樹立の技術的なフローを確立でき、さらに先進ゲノム支援の技術支援を2023年10月以降受けることができるようになったため、加速度的に研究開発が進んだ。初年度に達成を予定していなかった、オルガノイド初期プラットフォームにおけるXenium in situによる解析まで終了させることができ、次年度以降のオルガノイドのvalidationに必要なデータを入手することができた。

今後の研究の推進方策

初年度に実施したEGFR-TKIによるdrug tolerant persisterモデルについて、より長期的なタイムポイントでの解析を検討する。さらに、線維芽細胞について特異的に試薬介入を行い、いかに癌ニッチのcell cell interactionが変化していくかを定量化し、新規ターゲットを導出する予定である。

次年度使用額が生じた理由

他予算での培養試薬、細胞準備が可能であり、2023年度の予算を一部2024年度に回すことで高額である空間オミックス解析を追加で実施可能な状況にした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Label-free intratissue activity imaging of alveolar organoids with dynamic optical coherence tomography.2023

    • 著者名/発表者名
      Morishita R, Suzuki T, Mukherjee P, Abd El-Sadek I, Lim Y, Lichtenegger A, Makita S, Tomita K, Yamamoto Y, Nagamoto T, Yasuno Y.
    • 雑誌名

      Biomed Opt Express

      巻: 14(5) ページ: 2333-2351

    • DOI

      10.1364/BOE.488097

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 肺オルガノイド空間的トランスクリプトーム解析による次世代創薬プラットフォーム開発 -ニッチオーム介入評価系の新ツールとしての可能性-2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木敏夫
    • 学会等名
      第64回日本呼吸器学会学術講演会
  • [学会発表] 肺癌微小環境再現性オルガノイド樹立による病態メカニズム解明2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木敏夫
    • 学会等名
      2023年度先進ゲノム支援拡大班会議

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公開日: 2024-12-25  

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