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2023 年度 実施状況報告書

各種肺がんの分化プログラムにおけるマスター制御因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23K07609
研究機関北里大学

研究代表者

佐藤 崇  北里大学, 医学部, 講師 (20464836)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードエピゲノム / 肺がん / 分化プログラム / 肺神経内分泌がん / 多形がん / 細胞系統因子
研究実績の概要

研究代表者らは、神経内分泌要素を有する肺大細胞神経内分泌がん(LCNEC)症例を中心とした肺がんホルマリン固定パラフィン包埋組織検体のH3K27ac クロマチン免疫沈降シークエンシング(ChIP-seq)解析を行った。ChIP-seqシグナルを用いたクラスタリング解析を行い、一つのサブタイプとして神経内分泌細胞系統因子であるASCL1とNKX2-1を中心に規定されるより神経内分泌の特徴をもっているサブタイプを同定し、一方で肺神経内分泌がんにおけるがん細胞の分化状態を規定する候補転写制御因子Xを同定し、CRISPR/Cas9システムによるノックアウトおよび過剰発現系等の機能解析を行っている。Xは神経発生等に関与する遺伝子発現を制御し、肺がん細胞の形質に寄与していることを見出している。
また、肺多形がんのホルマリン固定パラフィン包埋組織検体のH3K27ac ChIP-seqを行った。次世代シークエンス解析を進めている。
さらに、肺がん細胞株を用いてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬やKRAS阻害薬に対する耐性株を作成し、これらの耐性機序の解明を行った。Phospho-RTKアレイやH3K27ac ChIP-seqを用いていくつかの候補となる耐性メカニズムを検討中である。一つには候補転写制御因子Yの薬剤耐性への関与をCRISPR/Cas9システムによるノックアウトおよび過剰発現系を用いたin vitro実験において検証中である。悪性度を規定する病理組織像を反映した細胞株モデルでのエピゲノム状態の解析も進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

次世代シークエンス解析・候補転写制御因子の機能解析に時間を要している。実験系でtrouble shootingを要することがあるが、都度解決して研究を進めている。

今後の研究の推進方策

肺神経内分泌がんにおけるがん細胞の分化状態を規定する細胞系統因子Xの機能解析を進める。in vitroの実験系ではCRISPR/Cas9システムによるノックアウトおよび過剰発現系、薬剤投与を用いたフェノタイプの検討を行い、さらにin vivo xenograftモデルによる検討を行う。また多形がんのH3K27ac ChIP-seq解析をもとに、多形がん細胞の分化状態の多様性・可塑性を調べていく。肺がん細胞株モデルにおいては、分子標的薬耐性機序、悪性形質へのエピゲノム状態の寄与を引き続き検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額はごくわずかであり、今年度使用額はほぼ使用済みである。次年度使用額は実験試薬等への補充とする予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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