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2023 年度 実施状況報告書

肺傷害後の再生における幹細胞の活性化と肺胞再構築メカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K07624
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 篤靖  京都大学, 医学研究科, 講師 (30706677)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード肺幹細胞 / 肺胞再生 / 肺障害
研究実績の概要

BHT肺傷害後の再生過程のタイムポイントの特定のため、Ⅱ型肺胞上皮細胞を単離してbulkRNA-seq解析を行った。GSEA解析では時系列に特徴的な経路が検出され、早期には抗酸化ストレスによるBHTへの耐性、続いて細胞増殖や転写領域の変化に向けたDNAに関連する経路の活性化を認めた。興味深い事に、第2日周辺のRNAの動きは非常に小さく、組織解析でも大きな変化はなかた。第3日のⅡ型肺胞上皮細胞は大変活性化し、これを単離してオルガノイドを作成したところ、非刺激マウス由来のⅡ型肺胞上皮細胞よりも高いコロニー成形効率を達成した。このことよりⅡ型肺胞上皮細胞は活性化状態にあり、微小環境によっては増殖への対応が速やかであることが示唆された。
Trasitional stateへの移行が傷害後第3日に発生し第4日に戻る事に注目した。第3.5日のサンプルはKrt8,Cldn4など、PATS,DAPTなどのマーカーが陽性であり、Ⅰ型肺胞上皮細胞への分化期間であることが示唆されてた。しかしながら、以降のタイムポイントにおいてTrasitional stateマーカーが遷延して現れることはなく、Ⅰ型肺胞上皮細胞への完全な分化を示唆する所見である。
第3日の肺を用いてシングルセル解析を行い、肺内の細胞間ネットワークの検討を行った。上皮細胞、間葉系・内皮細胞、免疫細胞の各クラスターに分類して解析を行い、ILC2の活性化やTh17細胞の活性化、マクロファージの分画の変化などを検出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ⅱ型肺胞上皮細胞の活性化シグナルとしてIL-17を新たに候補として得ることができた。このシグナルがTh17細胞に由来する可能性を見出し、機能解析を含めて検討を進めている。

今後の研究の推進方策

標準マウスの評価を終えたので、老化や疾患モデルにおける肺の再生状況を検討中である。申請書の予定にあるマイルストーンを順調に進んでいる。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗が順調であり、さらに多くの解析を行う必要があり、現在サンプルの収集に集中し、次年度に一気に解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Ⅰ型肺胞上皮細胞特異的肺傷害に対応する健常Ⅱ型肺胞上皮細胞の幹細胞としての機能動態解析2024

    • 著者名/発表者名
      平山 寛
    • 学会等名
      第64回日本呼吸器学会学術講演会
  • [学会発表] マウス肺傷害モデルにおける肺再生メカニズムのシングルセル解析による探索2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤 篤靖
    • 学会等名
      第64回日本呼吸器学会学術講演会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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