研究課題/領域番号 |
23K07643
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 康司 東北大学, 大学病院, 助教 (70633725)
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研究分担者 |
玉田 勉 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80396473)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サルコイドーシス / エクソソーム / マイクロアレイ |
研究実績の概要 |
サルコイドーシスは患者ごとに多様な経過を辿ることが知られている。自然寛解をきたす予後良好のものから、臓器障害を起こしステロイド治療が必要になる症例までさ様々であるが、現在までの知見で予後予測は困難とされる。また治療薬もステロイド以外の薬剤の有効性は十分とはいえないのが現状である。そのため本研究では予後予測因子、新たな治療標的の探索のため血液中エクソソームに着目し検討を行った。今までサルコイドーシスのエクソソームを検討した報告は幾つかあるが、主に診断に関する検討であり、自然経過に着目して解析した報告は無く、更に同一患者における異なる時点でのペア検体での比較はないため、以下の通り検体の解析を行なった。保存しているサルコイドーシス患者の血液検体の中から、自然寛解5症例8検体(自然寛解前後で3ペア6検体と自然寛解前のみの2検体)、増悪症例5症例8検体(増悪前後で3ペア6検体と増悪前のみの2検体)からエクソソームを抽出した。抽出したエクソソームはnanosight ns300で解析を行い濃度と粒子径が問題ないことを確認した。続いて。マイクロアレイによる網羅的解析を行なった。現在、増悪例と自然寛解例、増悪前後、自然寛解前後の3パターンで有意に変動のあるエクソソーム中のmicroRNAの同定と更にPathway解析など行なっている最中である。有意なmicroRNAが同定されれば、サルコイドーシスの病態に関わる可能性が高く、予後予測や新規治療標的の探索に繋がる成果となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検体解析に多額の費用を要するため、十分なn数の解析ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
健常者検体との比較、プロテオミクス解析なども併用し、得られたエクソソームの中で病態に関連する分子の同定を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
1検体あたりの解析費用が約10万円のため残額では解析不可であったため残金が生じた。残金を翌年度分と合わせて検体解析費用に充てる予定である。
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