• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

微小環境マルチプレックス解析システムを用いた腎疾患の新しい評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K07687
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

片桐 大輔  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 腎臓内科 医師 (90840645)

研究分担者 片桐 美香子  東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (00970104)
野村 征太郎  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10722118)
高野 秀樹  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 腎臓内科 診療科長 (40725347)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード微小環境マルチプレックス解析システム / 腎疾患 / CODEX
研究実績の概要

従来から行われてきた、免疫蛍光(IF)や免疫組織化学(IHC)のような、組織のSpatial次元を分析する現在の方法論は、一度に使用できるパラメーター数に限界があり、特定可能な細胞が制限されている。逆にマスサイトメトリーやNGSベースなどのシングルセル解析では、マルチプレックス化は可能でも、Spatial情報が得られない。微小環境マルチプレックスSpatial解析システムco-detection by indexing(CODEX)は、一枚の組織切片上で、数十種類以上の蛋白質マーカーを検出可能な、新しい技術である。同一細胞の複数のタンパク情報をシングルセルレベルで得ることができ、多様な機能を有した細胞の集簇である腎臓においても有用であると考えられるが、腎臓領域では未だ殆ど検討されていない。本研究の目的は、新規の病態解明を目指す上で、腎疾患に対する新しい組織シングルセル解析・オミックス解析技術の確立を目指すことである。本研究では、さらに蛍光検出感度・解像度が向上し、通常のスライド切片が使用可能となったPhenoCycler-Fusionを使用している。そのため、既に保管済みの通常のパラフィン切片を用いて検査が可能である。これまでに申請者グループが収集した腎臓病患者の腎組織検体から1) 糖尿病性腎臓病(DKD)、および2) COVID-19関連腎症(COVAN)に対して腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を行い、組織上の細胞種分類・細胞間/分子間相互作用解析・病態層別化を実施する。これまでPreliminaryな実験として、複数のANCA関連血管炎、IgA腎症およびCOVID-19関連腎症(COVAN)の腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行出来ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでPreliminaryな実験として、複数のANCA関連血管炎およびIgA腎症、COVID-19関連腎症(COVAN)の腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行出来ている。本解析には高額の試薬代および時間がかかるため、次々に結果が得られるという訳ではないものの、概ね着実に結果を集積できていると判断する。

今後の研究の推進方策

COVANおよび糖尿病性腎症の患者に限らず、ANCA関連血管炎やIgA腎症といった他の腎疾患についても腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行している。血管炎症状が強いIgA腎症と、軽度なIgA腎症での相違を検討することで、新たな治療ターゲットや、治療タイミングの検討が進む可能性がある。今後、当院で全国的に患者のフォローを行なっている、シスチノーシスなどの希少疾患にも施行していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

腎疾患の違いによって、発現するマーカーにかなり相違があることが分かりつつある一方で、CODEX関連試薬の納品が遅れたものがあり、一部の実験が施行できていないため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Urinary Liver-Type Fatty Acid-Binding Protein Level as a Prognostic Indicator of Acute Kidney Injury Secondary to Severe Falciparum Malaria: A Case Report2024

    • 著者名/発表者名
      Katayama Y, Shimada K, Katagiri D, Terakawa K, Sakamoto E, Niikura T, Suzuki M, Yoshizaki Y, Sato L, Yamada G, Akiyama Y, Taneda S, Takano H.
    • 雑誌名

      CEN Case Reports

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Blood Perfusion with Polymyxin B Immobilized Columns in Patients with COVID-19 Requiring Oxygen Therapy: A Multicenter Prospective Cohort Study2024

    • 著者名/発表者名
      Katagir D, et al.
    • 学会等名
      APCN & KSN 2024
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi