研究課題/領域番号 |
23K07690
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
廣瀬 卓男 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20599302)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | (プロ)レニン受容体 / 線維化 / 腎障害 / レニン・アンジオテンシン系 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
腎臓障害・線維化における(プロ)レニン受容体とその付随タンパクである液胞型ATPase (V-ATPase)の病態生理学的役割を解明するため、1) 腎生検標本を用いた(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの発現と臨床データーの関連解析、2) 動物実験による(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの腎臓障害・線維化への寄与の解析、3) 培養細胞を用いた(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの機能解析を予定しており、それぞれの実験計画を開始した。 腎生検標本での検討では、令和2年度から令和5年度までの約250症例について横断的解析のためのデータ整理が完了した。動物実験では、Genome-editing via Oviductal Nucleic Acids Delivery (GONAD)法によるゲノム編集により(プロ)レニン受容体の酵素切断配列を改変したラットの作製が完了し、実験計画に必要な匹数を確保するため交配により増やしている。また、得られた(プロ)レニン受容体酵素切断配列改変ラットの腎臓には、同胞の野生型ラットの腎臓と比較し、組織学的に著名な差は認められなかった。培養細胞を用いた検討では、実験に必要は(プロ)レニン受容体の3形態(全長型、可溶型、膜貫通型)やエクソン4欠失(プロ)レニン受容体、蛍光タグ融合(プロ)レニン受容体等の発現ベクターの作製が完了した。また、予備実験としてsmall interfering RNA (siRNA)による(プロ)レニン受容体の発現抑制を行ったヒト腎近位尿細管細胞(HK2細胞)にこれらの発現ベクターを導入したところ、全長型(プロ)レニン受容体を発現させた培養細胞では細胞生存能の回復が認められたが、酵素切断配列に変異を導入した(プロ)レニン受容体や可溶型、膜貫通型のみを発現させた培養細胞では細胞生存能の回復は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では、腎臓障害・線維化における(プロ)レニン受容体及びV-ATPaseの病態生理学的役割を解明するため、1) 腎生検標本を用いた(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの発現と臨床データーの関連解析、2) 動物実験による(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの腎臓障害・線維化への寄与の解析、3) 培養細胞を用いた(プロ)レニン受容体/V-ATPaseの機能解析を予定している。研究実績概要に記載した通り、それぞれのテーマについて概ね当初の計画通り実験が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画は順調に推移しており、次年度もこのまま研究計画に従い本研究課題を遂行する。現時点では研究計画の変更はなく、研究を遂行する上での問題点も見当たらない。
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