研究課題/領域番号 |
23K07733
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
横田 祐之介 久留米大学, 医学部, 助教 (30867081)
|
研究分担者 |
中山 陽介 久留米大学, 医学部, 助教 (00748486)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 急性腎障害 / AKI to CKD / 制御性B細胞 / Breg / IL-10 / 細胞移入療法 |
研究実績の概要 |
入院患者の約10%に急性腎障害(AKI)が発症し、特に高齢者では高率に急性腎障害が慢性腎障害(CKD)へ移行する。わが国は超高齢化社会へ突入し、急性腎障害や薬剤性腎障害を乗り越えたものの、進行するCKDに悩む高齢患者を目にする機会が格段に増加している。しかし、いまだ確立した治療法が存在せず、CKDへの移行およびその進展を完全に抑制することは不可能である。ミトコンドリア機能障害、レニンアンギオテンシン系の活性化、尿細管G2/M細胞周期停止などがAKI-to-CKDの発症メカニズムとして提唱されているが、一定の見解が得られておらず、AKI-to-CKD抑制を目的とした治療戦略の創出が急務の課題である。申請者は、抗炎症に働く制御性B細胞がAKI後の腎組織に浸潤し、組織修復に関与することを突き止めた。また、IL-10産生細胞の80%はB細胞であることに着目した。本研究の目的は、制御性B細胞と分泌する抗炎症サイトカインIL-10に着目し、AKI-to-CKDでの制御性B細胞の動態を解明し、制御性B細胞移入療法がAKI-to-CKDに対して腎保護効果作用を発揮するか明らかにする。本研究ではIL-10産生細胞がGFP陽性となるIL-10/GFPマウスを使用することで制御性B細胞をビジュアル化し、さらには腹腔内・腸管・脾臓より制御性B細胞を単離することにより、制御性B細胞移入療法をAKI治療の一つとして確立する。現時点で急性腎障害後にIL-10産生細胞が増加すること、脾臓からの制御性B細胞の侵入が急性腎障害後に起こることを確認できており、現在は制御性B細胞の移入療法と急性腎障害の関連について研究を遂行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って、概ね順調に研究は進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
現時点で急性腎障害後にIL-10産生細胞が増加すること、脾臓からの制御性B細胞の侵入が急性腎障害後に起こることを確認できており、現在は制御性B細胞の移入療法と急性腎障害の関連について研究を遂行中である。制御性B細胞の移入療法がAKI to CKDの進展抑制に関与することを明らかにし、本研究が臨床的意義を持つことを目標とする。
|