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2023 年度 実施状況報告書

トレース機能を有する人工培養毛iHairを用いたWntシグナルによる発毛制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K07749
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

王寺 幸輝  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50343421)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード発毛再生 / 幹細胞 / 毛包 / 移植 / 毛乳頭 / 皮膚再生 / 再生医学 / Wntシグナル
研究実績の概要

本研究計画では、毛の発生を解析するために多能性幹細胞を樹立し、毛包誘導の可視化やプロセスを詳細に解析することで、発毛制御の基盤を確立することを目標とする。
計画初年度(令和5年度)は、発毛イベントを解析可能な遺伝子発現系を樹立するため、上皮分化マーカーとしてKeratinプロモーターと赤色蛍光タンパク質(DsRed)をクローニングしたplasmid(pKD)を構築した。次に、Versican-Tgマウス(versicanプロモーター下でEGFPを発現するマウス)由来毛乳頭細胞(V-DPC)にpKDを遺伝子導入後、発毛イベントの可視化を実現可能とするVK-DPCの樹立に成功した。現在、VK-DPCのクローン株を解析し、初期化に適した細胞株の選定を行っている。
また、初期化細胞を用いた毛包誘導の基礎的検討として、マウスiPS細胞株を用いた誘導条件の検討を行った。既報の方法(Leeら、Cell Rep., 2018)を参考に、iPS細胞から毛包様組織の誘導を実施し、組織レベルでの詳細な解析を行っている。今後は、上記樹立細胞株の初期化により多能性幹細胞株を樹立し、それを用いた毛包細胞・組織への分化誘導とプロセスの可視化を進めることで、毛の発生・制御のメカニズムの解明を行ってゆく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に基づき、期待した実験成果が得られており、学会発表等での成果報告を行っているため。

今後の研究の推進方策

次年度(令和6年度)では、VK-DPCの初期化を実施することで、発毛解析ツールの構築と毛包誘導における可視化解析を行う予定である。
具体的には、これまでに得られている成績をもとに、上記細胞株を用いて蛍光観察により分化細胞を連続的に追跡し、発毛のリアルタイム解析により分化プロセスや細胞状態を解析する。さらに、誘導後の毛包組織を組織学的に解析することでネイティブな毛包との比較を行う。また、正常発生した毛包組織との遺伝子発現をNGS解析により網羅的に比較し、発毛における細胞内現象を詳細に解析することで、発毛制御データの構築を目指す予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)本研究計画の2年目(令和6年度)以降において、NGS解析を含む網羅的な遺伝子発現解析を計画している。受託研究費等の発生が予想されたため、備品、消耗品や試薬等を必要最小限の量で計画的に購入し、繰越金を捻出することで、来年度に備えた。
(使用計画)本年度以降では、繰越金を合算することによりNGS解析による網羅的な遺伝子発現解析を行う予定で、既に購入した消耗品を継続使用することや、必要物品を計画的に購入することで、研究を遂行する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Differentiation of embryonic stem cells into lung-like cells using lung-derived matrix sheets2023

    • 著者名/発表者名
      Kitamura T, Misu M, Yoshikawa M, Ouji Y.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 686 ページ: 149197

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.149197.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Local administration of shikonin improved the overall survival in orthotopic murine glioblastoma models with temozolomide resistance2023

    • 著者名/発表者名
      Maeoka R, Ouji Y, Nakazawa T, Matsuda R, Morimoto T, Yokoyama S, Yamada S, Nishimura F, Nakagawa I, Park YS, Yoshikawa M, Nakase H.
    • 雑誌名

      Biomed Pharmacother.

      巻: 166 ページ: 115296

    • DOI

      10.1016/j.biopha.2023.115296.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ウシガエルとスッポンの生食が原因と考えられた顎口虫症疑いの1例2023

    • 著者名/発表者名
      笠松(西村)知子、三須政康、北村知嵩、王寺幸輝、笠原敬、吉川正英
    • 雑誌名

      Clinical Parasitology

      巻: 34 ページ: 52-54

    • 査読あり
  • [学会発表] 皮膚由来抽出物による毛乳頭細胞の活性化2024

    • 著者名/発表者名
      王寺幸輝、三須政康、北村知嵩
    • 学会等名
      第23回 日本再生医療学会総会
  • [学会発表] 肺由来細胞外マトリックスシート(LMS)によるES細胞から肺細胞への分化誘導2024

    • 著者名/発表者名
      北村知嵩、三須政康、西村知子、王寺幸輝
    • 学会等名
      第23回 日本再生医療学会総会
  • [学会発表] 透明化技術を用いた住血吸虫感染貝の解析2024

    • 著者名/発表者名
      王寺幸輝、濱崎めぐみ、三須政康、北村知嵩、西村知子、中村梨沙、濱野真二郎、吉川正英
    • 学会等名
      第93回 日本寄生虫学会大会
  • [学会発表] マウス頭頸部臓器の三次元的形態特徴の検討2023

    • 著者名/発表者名
      清水直樹、王寺幸輝、上村裕和、 北原糺
    • 学会等名
      第74回 日本気管食道科学会
  • [学会発表] 生シラスの生食歴があり、顎口虫への感染が疑われた1例2023

    • 著者名/発表者名
      西村知子、三須政康、北村知嵩、 王寺幸輝、笠原敬、吉川正英
    • 学会等名
      第34回 日本臨床寄生虫学会大会
  • [図書] 救急医学、Catch you!!!寄生虫 救急医もおさえておきたい寄生虫感染症 トキソカラ症2024

    • 著者名/発表者名
      笠松(西村)知子、北村知嵩、三須政康、吉川正英、王寺幸輝
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      へるす出版

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公開日: 2024-12-25  

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