研究実績の概要 |
スポロトリコーシス既感染者の血液から末梢血単核球を分離し試験に供するために、本学の再生医療学の先生方の協力のもと末梢血単核球の分離, 分離細胞の保存・維持管理、細胞の取扱いと調製の方法などについて習い方法を確立した。また, 分離細胞から産生されるサイトカインを定量的に検出することのできるELISpot assayについても検出まで幾度か習うことができ、現在実際に使用を予定しているIFN-γや IL-17を検出できるELISpot assay kitを用いることができた。これまで当科および私自身が細胞を実験に用いる機会がそれほど多くなく, 基本的な細胞の取り扱いから学ぶことができ、結果として実際に使用する細胞分離や培養培養の環境の整備、採血管など必要な消耗品, またELISpot assay kitを具体的に決定することができた。今回の研究に最低限必要な細胞の取扱いについて方法を確立できたと考えている。 細胞に反応させる抗原となるスポロトリキンに関しては、これまで作製に用いてきたスポロトリクスシェンキー株が海外株であったことから、本邦分離のスポロトリクスシェンキー株と本邦での主要な原因菌であるスポロトリクスグロボーザ株を追加し新たに作製を行った。スポロトリキン作製には3週間程度の乾燥行程を含み全工程で1ヶ月以上の期間を要すが, 凍結乾燥など乾燥行程の短縮を同時に試みてきたが, その評価方法が末梢血単核球を用いた結果と関連するため今後の評価を待つこととなる。今後は作製した各スポロトリキンを用いた二次元電気泳動を実施し, 抗原性物質として報告の存在するグルコプロテイン70の有無から調べていく。
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