研究課題/領域番号 |
23K07792
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
雷 小峰 昭和大学, 医学部, 助教 (00595069)
|
研究分担者 |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 准教授 (10338535)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | 強皮症 / Hic-5 |
研究実績の概要 |
全身性強皮症は、皮膚および内臓諸臓器の線維化、血管障害、免疫異常を特徴とする全身性の自己免疫疾患である。その原因はいまだ不明であり、免疫異常を基盤とした慢性炎症による血管構造異常、線維芽細胞の恒常的活性化が誘因と考えられているが、有効な治療法は未だなく、治療薬の開発に向けた分子基盤の解明が必要とされている。申請者は、肝線維化や膵線維化、肺線維化発症時の線維芽細胞活性化制御分子として H2O2-inducible Clone 5 (Hic-5, 別名TGF-β1i1) を同定した。さらに近年、Hic-5 の全身性強皮症への関与を見出したことから、本研究では全身性強皮症における Hic-5 の機能に着目し解析を行う。初年度に研究協力者のWangらが56人の健康人と97人の全身性強皮症の single-cell RNA sequence のデータ(Cell.185(8):1373-88;2022)から、既にHic-5が発現している細胞群を解析しており、現在各細胞群およびそれらの細胞内シグナルネットワークにおけるHic-5の役割を解析していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者が1年間他施設で研修していたため、テータベースに基づいて解析したのみ。マウス実験や細胞実験の準備できていない状態です。次年度より計画に基づく、マウスモデルおよび細胞実験を行う予定。
|
今後の研究の推進方策 |
Hic-5 欠損マウスにおける強皮症モデルマウス発症抑制効果評価 ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウス(1mg/mlブレオマイシンをマウスの背部皮膚へ4週間ないし1週間にわたり300μl ずつ連日皮内投与モデル)を用いて野生型とHic-5欠損マウス病変を比較評価する。 その後にHic-5 欠損による炎症細胞接着、血管リモデリング、活性化線維芽細胞の評価を行う予定。また細胞レベルでsiRNA および Hic-5 機能阻害ペプチドを用いた強皮症病態抑制効果の検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は他施設で研修のため、マウスや細胞実験は予定より遅れていた。その分の研究費は未使用となった。
|