研究課題/領域番号 |
23K07883
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
宮部 千恵 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (80540426)
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研究分担者 |
宮部 斉重 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70632313)
村山 正承 関西医科大学, 医学部, 講師 (60737675)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 血管炎 / 動物モデル / 病原体 |
研究実績の概要 |
血管炎症候群は比較的稀な疾患のため、これまで他の自己免疫性疾患・炎症性疾患と比べてあまり基礎研究が進んでこなかった。感染症が契機となる血管炎の報告は多くみられるが、その発症機序はこれまでほとんど明らかになっていない。また、既存の血管炎モデル動物自体も遺伝子改変マウスや、臨床的にはヒトの血管炎の発症にほとんど関与しない病原体による血管炎モデル動物が主体で、ヒトの血管炎との病因・病態の乖離が問題となっていた。また、血管炎の発症までに少なからず時間がかかり、研究がなかなか進展しないなどの問題点があった。そこで、本年度我々は、先行研究でヒトの血管炎との関連を見出した病原体による、よりヒトの病態に近いマウス血管炎モデルの作成を試みた。 まず、野生型マウスに病原体構成成分を投与することで、各臓器に血管炎を誘導することができるか病理学的に解析した。その結果、一定の条件下でマウスの複数の臓器に血管炎を誘導することに成功した。また、発症率の改善や、よりヒトの血管炎に類似した強い炎症を惹起できるよう、病原体構成成分の投与量、投与経路、回数等につき複数回の条件検討を行った。さらに、血管炎を誘導したマウスの組織を採取し、免疫染色にて特徴的な細胞群の血管への浸潤を確認した。 また、Frontiers in Immunologyに、病原体と自己免疫性疾患との関連性についてのこれまでの知見や自分の最近の研究内容を含んだレビュー論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスに血管炎を誘導することに成功し、順調に研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はマウスにおける汎用性のある血管炎誘導プロトコールを確立し、研究計画に沿ってより詳細な解析を進めていきたい。また、ある程度結果がまとまった時点で学会等での発表も検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究開始にあたって次年度より多い使用額を予定していたが、初年度で実際に使用可能になるまでに時間がかかったため、結果的に予定より少ない使用額となった。引き続き計画に沿って研究費の使用を進めていきたい。
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