研究課題/領域番号 |
23K07894
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
石崎 淳 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (00620527)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ANCA関連血管炎 / 大型血管炎 / バイオマーカー / 血管炎モデルマウス / 新規治療標的 |
研究実績の概要 |
1)ANCA関連血管炎患者(分子標的療法中を含む)における血清マーカーのELISA定量解析 当院のANCA関連血管炎でリツキシマブやアバコパンを投与した患者を対象に、血清TIMP-1値をELISAを用いて連続的に定量解析を行なっている。TIMP-1値が血管炎の再燃やグルコルチコイド漸減・中止下での寛解維持を予測できるか、臨床経過との関連を解析中である。 2)血管炎モデルマウスを用いたCD93のAAVの病態への関与および治療標的としての有用性に関する解析 MPOおよび牛血清アルブミン(BSA)で免疫したMPO欠損マウス由来の血清からIgGを単離し、また、MPOおよびBSA感作脾細胞を凍結保存した。野生型B6マウスに抗MPO抗体を移入して血管炎モデルマウスを作成中である。 3)大型血管炎における新規活動性マーカーのELISA定量解析 当院の大型血管炎(高安動脈炎9名, 巨細胞性動脈炎11名)の解析で、血清TIMP-1値は健常人と比較して治療前に有意に上昇し治療6-12ヶ月で健常人レベルまで低下し活動性を反映した。PET-CT検査で血管壁へのFDG異常集積のみの症例よりも、血管壁肥厚を伴う症例において治療前TIMP-1値は高い傾向であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「高安動脈炎と巨細胞性動脈炎の診断・治療の現状と有効性に関する前向き観察研究」について、登録患者データの固定および解析、論文作成が進められており、また、登録患者の血清試料の二次利用に関する手続きが進んでおり、それらが完遂し二次利用が可能となり次第、当院でバイオマーカーの解析を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
野生型およびCD93欠損マウスに抗MPO抗体を移入して血管炎を誘導し、半月体形成性糸球体腎炎や出血性肺毛細血管炎の発症率を比較する。JPVAS血管炎前向きコホート研究および大型血管炎前向きコホート研究の血漿・血清試料の二次利用が可能となり次第、血清TIMP-1値をはじめとするバイオマーカー解析を進めていく。
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