研究課題/領域番号 |
23K07912
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
井関 ゆう子 日本医科大学, 医学部, 講師 (50723045)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 全身性強皮症 / 血管内皮前駆細胞 |
研究実績の概要 |
全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)は血管内皮障害、皮膚や内臓諸臓器の線維化、及び自己抗体産生など免疫異常を特徴とする疾患である。血管内皮細胞(endothelial cell; EC)の損傷とそれに続く血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell; EPC)の機能障害による血管修復不全が、SScの病態の基礎となっている。 現在に至るまでコンセンサスが得られたEPCの同定、分離法が確立されていないこと、末梢血のEPCは 極めて少数であり解析が困難であることから、確立されたサブセット分類や各サブセットにおける増殖能や血管内皮への分化能の評価が十分に行われていないのが現状である。種々の EPC研究から、EPCは単一の細胞ではなく、血管内皮細胞への分化能を有する多様な細胞集団であることは明らかとなっている。 本研究では、複数存在すると考えられるEPCの新規サブセット分類を行い、従来のmonocytic EPCの一部と考えられる線維化病態に関連するSSc特異的EPCサブセットを同定する事を目的とする。 今年度は、まず最近の全身性強皮症および血管内皮前駆細胞についての知見を文献検索を中心に行い、血管内皮前駆細胞の抽出条件について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、最近の全身性強皮症および血管内皮前駆細胞についての知見を文献検索を中心に行い、血管内皮前駆細胞の抽出条件について検討を行った。血管内皮前駆細胞の表面マーカーの選定に時間を要しており、当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)は血管内皮障害、皮膚や内臓諸臓器の線維化、及び自 己抗体産生など免疫異常を特徴とする疾患である。血管内皮細胞(endothelial cell; EC)の損 傷とそれに続く血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell; EPC)の機能障害による血管修 復不全が、SScの病態の基礎となっている。 本研究では、末梢血EPCのscRNA-seq解析、細胞表面マーカー解析を同時に行うことで、 複数存在すると考えられるEPCの新規サブセット分類を行い、従来のmonocytic EPCの一部と 考えられる線維化病態に関連するSSc特異的EPCサブセットを同定する事を目的とする。 上記の研究計画を遂行するにあたり、末梢血からEPCを抽出する条件を確立することが非常に重要となる。末梢血中に含まれるEPCは極めて少数であることから、条件設定を種々変更しながら、最適の抽出マーカーを特定し、早急にEPCを抽出する条件を確立したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、全身性強皮症及びEPCの知見を広げるべく、情報検索を主体として行ったこと、表面マーカーの選定に難渋していることから、使用額が予定よりも少なく、翌年度分に繰り越すこととなった。
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