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2023 年度 実施状況報告書

肺炎マイコプラマ感染に伴う抗ウイルス免疫応答の破綻とその分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K07955
研究機関久留米大学

研究代表者

山本 武司  久留米大学, 医学部, 講師 (20632566)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード肺炎マイコプラズマ
研究実績の概要

本研究計画の実施に先駆けて行った事前実験では肺炎マイコプラズマがLPS誘導性のインターフェロンβの産生を抑制するという実験成績を得ている。そこで肺炎マイコプラズマの抑制作用がTLR4依存的なシグナルに限定して見られるものなのかどうかを調べるため、STINGアゴニストであるABZIを用いて検討を行った。その結果、肺炎マイコプラズマはSTING依存的なインターフェロンβの産生に対しても抑制作用を示した。このことから肺炎マイコプラズマはTLR4とSTINGに共通する下流のシグナル分子群に対して何らかの作用を有することが予想されたため、インターフェロンβの産生に関わるTBK1、ERK、JNK、p38、p65といったシグナル分子の活性化に対する影響の評価を行った。しかしながら、これらのシグナル分子の活性化を肺炎マイコプラズマは抑制しなかった。さらに並行して肺炎マイコプラズマ感染の転写への影響を評価するため、mRNA量の測定を行ったところ、インターフェロンβのmRNA量は肺炎マイコプラズマ感染によって顕著に低下することが分かった。以上の結果から、肺炎マイコプラズマはシグナル分子下流の転写因子の活性化を抑制しているか、あるいはエピジェネティックな変化を引き起こすことで転写レベルを低下させていることが予想された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね当初の計画通り実験を実施できている。

今後の研究の推進方策

R5年度の検討結果から、肺炎マイコプラズマは転写因子の活性化あるいはその働きを抑制する作用を有していると考えられる。R6年度は肺炎マイコプラズマの抑制メカニズムを解明するための足掛かりとなるデータを得るためにRNAseqを行う計画であり、(1)肺炎マイコプラズマ感染に伴う転写因子の量的な変化の解析や(2)転写レベルが低下した遺伝子に共通する転写因子の解析を実施する予定である。現在、RNAの抽出条件の検討を進めており、シークエンスライブラリの調製ができ次第、NGS解析を進めていく考えである。

次年度使用額が生じた理由

本研究計画の実施に使用した研究用消耗品類の多くはより安価な代替品への変更が可能であったため、当初の計画よりも必要な費用が少額となった。また試薬等を用いる実験については規定のものよりも小スケールでの実施が可能であったため、想定していたよりも必要量を抑えることができた。
次年度はNGS解析を実施する計画であり、初期検討等に多額の費用を要する可能性があることから、次年度使用額については同検討に必要な物品等の購入費に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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