研究課題/領域番号 |
23K08051
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
安田 忠仁 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 客員研究員 (00867947)
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研究分担者 |
石本 崇胤 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 部長 (00594889)
千場 隆 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 研究員 (30897682)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 腫瘍間質 / CAFs / PDGF / 血小板 / 遠隔臓器連関 |
研究実績の概要 |
腫瘍間質中のCAFs (Cancer- Associated Fibroblasts)は、癌進展や転移プロセスにおいて重要な役割を果たしており、腫瘍促進的な機能が明らかになる一方で、スキルス胃癌を代表とする難治癌において、CAFsが豊富(線維化亢進)な理由は未だ分かっていない。一連の研究の中でCAFsに特異的に発現するPDGFR(platelet-derived growth factor receptor)がCAFsの増殖及び、線維化の亢進に重要であることが分かった。一方でPDGFRのリガンドであるPDGFは骨髄における巨核球で、その大部分が生産され、内在的に全身を循環する血小板が保持している。本研究の目的は、骨髄に存在する巨核球由来の血小板を介した、遠隔臓器連関によるスキルス胃癌線維化促進メカニズムを解明することである。 担癌マウスの造血幹細胞にPDGFリガンドを過剰発現させると高度な腫瘍線維化の亢進が起こることを明らかにした。さらに分化した造血幹細胞の各リネージに対する阻害剤(R300、Clodronate liposome、抗CD20抗体)を用いて、それぞれのリネージを除去したうえで、各群の腫瘍線維化の程度を比較したところ、R300を用いた群において有意に腫瘍線維化の抑制が確認でき、巨核球に由来するPDGF-C/Dの重要性が示唆された。さらに腫瘍間質との相互作用による癌細胞プロファイルの変化をRNAシーケンシングにより明らかにした。これらの結果をもとに炎症性サイトカインを過剰発現させた腫瘍細胞を作製し、骨髄において巨核球progenitor cellsに関わる因子の発現上昇とmorphologyの変化を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種の腫瘍線維化亢進モデルマウスの構築は再現性を持って確立できているため、今後はモデルマウスにおけるサンプルを用いて、骨髄と胃癌組織とのコミュニケーションに関するさらなる詳細な分子メカニズムを検証していくことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍線維化モデルマウスから得られた骨髄細胞の各分化の段階の細胞に関してRNAシーケンシングを用いてその詳細なプロファイルの変化を確認していく。さらに一連の過程の中で、各モデルマウスを用いて、血小板および巨核球をターゲットとした腫瘍間質の抑制を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実験を一部次年度に実施することとしたため、想定より研究費を執行することがなかった。2024年度に合算して使用する見込み。
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