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2023 年度 実施状況報告書

細胞診および血液検体を用いた新規甲状腺濾胞癌特異的マーカーによる術前分子診断

研究課題

研究課題/領域番号 23K08060
研究機関日本医科大学

研究代表者

軸薗 智雄  日本医科大学, 医学部, 准教授 (10465312)

研究分担者 杉谷 巌  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
石川 朋子  聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (70212850)
石橋 宰  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (70293214)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード甲状腺細胞診 / 甲状腺濾胞癌 / マイクロRNA / 分子診断マーカー
研究実績の概要

甲状腺癌の約5%を占める濾胞癌(FTC)は、一般的に予後は良好であるが、中には生命予後に影響を与える危険度の高い群が存在する。しかし、現状では良・悪性の鑑別は、術前はおろか病理組織診断でさえ困難なこともある。我々はこれまでホルマリン固定病理標本(FFPE標本)から抽出したRNAを用いた最先端遺伝子アレイ解析により、FTCバイオマーカー候補の探索を行ってきた。得られたデータセットを解析した結果、有力なFTC診断マーカー候補としてのRNA分子(トランスクリプト)を同定した。
本研究では、これまでに同定した複数の有力なFTCバイオマーカー候補が、実際に術前診断に応用可能かどうかについて、術前細胞診検体から抽出したRNAを用いて検証することを目的としている。また、健診等におけるFTCの発見機会の増加を期待して、FTC患者の血液検体を用いて、血中RNAバイオマーカーとしての上記トランスクリプトの検出や、これらのトランスクリプトはすべて蛋白質をコードする遺伝子に由来するため、それぞれに対応する蛋白質もFTCバイオマーカー候補としてとらえ、術前細胞診検体を用いた細胞免疫染色による検出も合わせて試みることとしている。
令和5年度に実施した研究の成果としては、予備的な研究として手術直後に疑似細胞診を行って得た検体から抽出したRNAを用いて検証を行なった。有望なFTC特異的マーカー候補であるFAM19A2、LRRK2の発現は、術前での細胞診と術後の病理組織検査の結果と照合したところ、これまでのFFPE標本を用いた結果と同様の傾向があることを確認することが出来た。また、FTC患者の血液検体を用いた研究及び術前細胞診検体を用いた細胞免疫染色による研究については、準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画よりも対象となるサンプル回収及び解析に時間がかかっているものの、研究自体はほぼ計画通り進めることが出来ている。

今後の研究の推進方策

濾胞性腫瘍(FTCおよびFA)の疑似細胞診または細胞診余剰検体および病理組織からRNAを抽出し、定量的RT-PCRによる発現比較解析を進めて行く。
血液検体を用いた解析では、対象となるサンプルを収集し、濾胞性腫瘍の血液サンプルについて有望なFTCマーカー候補である FAM19A2、LRRK2、kumeri等を含めた各トランスクリプトについて発現比較解析を行う。
蛋白質発現解析による検証では、FTCおよびFAの疑似細胞診または穿刺吸引細胞診検体について、当該蛋白質に対する特異的抗体を用いた細胞免疫染色を進めて行く。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも対象となるサンプル回収にやや時間がかかっており、解析を含めた研究費の使用を次年度使用となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 3種類のマーカーによる甲状腺濾胞癌判別モデル構築について2024

    • 著者名/発表者名
      軸薗智雄
    • 学会等名
      第123回日本外科学会定期学術集会
  • [学会発表] 甲状腺濾胞癌におけるQ61変異RASとFAM19A2バリアントとの相関について2024

    • 著者名/発表者名
      軸薗智雄
    • 学会等名
      第35回日本内分泌外科学会総会
  • [学会発表] バイオマーカーを用いた甲状腺乳頭癌とNIFTPの鑑別について2024

    • 著者名/発表者名
      軸薗智雄
    • 学会等名
      第66回日本甲状腺学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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