• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

希少な新生児・乳児期腫瘍の網羅的遺伝子解析とプロテオーム解析を用いた創薬標的検索

研究課題

研究課題/領域番号 23K08083
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所)

研究代表者

田中 水緒  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (60565232)

研究分担者 永原 則之  日本医科大学, 医学部, 准教授 (10208043)
田中 祐吉  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (50420691)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード小児皮膚腫瘍 / RNAシーケンス / 診断マーカー
研究実績の概要

小児がんの一部は胎児期に発生し、新生児期・乳児期に発症する。これら先天性や乳児早期発症の腫瘍は特有の病因・病態があり、その診断・治療には成人とは異なるアプローチが必要であるが、その希少性のため研究は現状非常に乏しい。このような腫瘍の分子生物学的背景を網羅的解析し、その中から特異性の高い診断マーカーの同定を行うことを目的とする。本年度は皮膚腫瘍の研究に着手した。
Myofibromaはほとんどが2歳までの乳児の皮膚および軟部組織に発生する腫瘍で、その多くは単発で、切除のみで良好な経過をたどる。しかし稀に、内部臓器を含め全身に多発し、時に生命予後に関わる病態を示すことがあり、myofibromatosisと称される。最近では、単発の良性腫瘍が悪性化する例も報告されている。
Myofibromatosisの原因遺伝子としてPDGFRB遺伝子の体細胞変異もしくは一部で胚細胞変異が検出されている。またNOTCH3遺伝子やNDRG4遺伝子変異の報告もある。一方、良性腫瘍として切除されたmyofibromaについては十分な遺伝子異常の検索がなされていない現状がある。
本年度は全身性のmyofibromatosisの検体を次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスによる網羅的遺伝子解析を行い、疾患に関与しうる有力な複数の遺伝子異常を検出した。その中で腫瘍発生に関わると考えられる有力な融合遺伝子の候補を得た。来年度以降は、単発の良性腫瘍であるmyofibromaの検体を用いて、全身性myofibromatosisの網羅的遺伝子検索で得られた異常の検出を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

足掛かりとする全身性myofibromatosisの症例のRNAシーケンスによる網羅的遺伝子解析が終了し、腫瘍発生の原因となりうる遺伝子異常の抽出が終了した。

今後の研究の推進方策

次の段階として、多数の乳幼児皮膚腫瘍を用いて、抽出された候補遺伝子異常の検索を順次開始している。具体的にはmyofibroma、および組織学的に類似した腫瘍の症例のピックアップを行い、これら腫瘍の核酸抽出を行い足掛かりとなった症例で同定された遺伝子異常の確認を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度は世界情勢により、一部の試薬、実験器具の入手の遅延が生じ、申請時に予定していた研究の一部が先送りとなったため、次年度使用額が生じた。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi