研究課題/領域番号 |
23K08104
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
桑田 大輔 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50933230)
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研究分担者 |
袴田 健一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
下田 浩 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)
三浦 卓也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30722136)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 直腸 / リンパ管 / リンパ流 |
研究実績の概要 |
下部直腸癌は一般に局所再発率が高く、予後も不良である。その背景には、多様なリンパ管ネットワークの存在が推定されるが、下部直腸肛門管周囲の微小リンパ管構造について、未だ定まった見解はない。先行研究では手術検体を用いて、下部直腸縦走筋から分岐し肛門挙筋表面を覆うように広がる筋膜構造(Hiatal ligament, Endopelvic fascia)の内部に毛細リンパ管、毛細血管が確認された。本研究では解剖体を用いてより広範囲なリンパ管ネットワークを明らかにすることを目的としている。解剖体では手術検体で関心領域とすることができなかった直腸前壁の構造にも着目し、女性のDenenvillier筋膜と下部直腸とのリンパ管構造の関係も認められた。また、解剖体から摘出した組織をそのまま免疫組織化学染色するenbloc染色では、肛門挙筋や仙骨前面に広がるリンパ管ネットワークが観察された。これらの手術の切除範囲外に広がるリンパ管ネットワークを下部直腸癌の予後悪化の一因となり、局所再発のみでなく、遠隔転移にも関わると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は第124回日本外科学会定期学術集会でも発表し、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた知見からさらに、電子顕微鏡や組織透明化法を用いて微細なリンパ管構造についても検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度も研究継続予定が発生したため。また新規研究手法(死後早期解剖体に対するICG蛍光法)の利用も検討しているため。
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