研究課題/領域番号 |
23K08132
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梁井 公輔 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10621055)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
大薗 慶吾 九州大学, 大学病院, 助教 (60912847)
緒方 久修 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (70432945)
永井 俊太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90755240)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | C4orf47 / 膵癌転移 / 浸潤能 / 遊走能 / 癌休眠 / 細胞周期 / がん再発 / 癌新規治療法開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、膵癌の新たな転移形成機序解明のために「膵癌細胞が低酸素環境からそれより高い酸素分圧の環境へ移行することにより、膵癌細胞のChromosome 4 open reading frame 47(C4orf47)発現が低下することにより、浸潤能が低下し細胞増殖が亢進し、転移形成が促進するのかを検証する」ことである。本年度は、まず、C4orf47発現を亢進するplasmid作成から行うこととした。plasmidのsequenceを作成し、これを大腸菌に組み込んでplasmidを作成した。このC4orf47発現plasmidを膵癌細胞株に遺伝子導入して、C4orf47の発現をwestern blot法で検証して、首尾よくC4orf47発現plasmidが作成されていることを確認した。現在C4orf47の免疫染色に備えて、膵癌の切除標本、微小検体、正常膵臓組織を集めているところである。今後は、これら集めた標本を用いて、C4orf47の免疫染色を行いプロファイルを作成するとともに、C4orf47発現plasmidを導入した細胞、導入していないコントロール細胞、C4orf47siRNA導入細胞(C4orf47抑制細胞)を免疫不全マウスに静脈投与、あるいは門脈投与して、膵癌の肺転移モデル、肝臓転移モデルを作成し、C4orf47発現と転移形成能の連関解析を行いたい、と考えている。さらに、慢性低酸素膵癌細胞株を維持していくことも必要であるため、膵癌細胞株の低酸素環境での経代培養を続けているところである。慢性低酸素膵癌細胞株は3か月低酸素環境で培養したのちに、wild typeの癌細胞と、1週間低酸素環境で培養した急性期低酸素癌細胞と増殖・遊走・浸潤といった細胞形質を比較する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
C4orf47発現plasmidの作成に時間を要した。現在C4orf47の免疫染色に備えて、膵癌の切除標本、微小検体、正常膵臓組織を集めているところであり、まだC4orf47の免疫染色に至っていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は膵癌の切除標本、微小検体、正常膵臓組織を用いて、C4orf47の免疫染色を行うとともに、C4orf47発現plasmidを導入した細胞、導入していないコントロール細胞、C4orf47siRNA導入(C4orf47抑制細胞)を免疫不全マウスに静脈投与、あるいは門脈投与して、膵癌の肺転移モデル、肝臓転移モデルを作成し、C4orf47発現と転移形成能の連関解析を行いたい、と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
plasmidの遺伝子導入に必要な試薬は、前研究のものが使用できたため、新たに購入する必要がなく、次年度使用額が生じた。本年度、C4orf47の免疫染色のための抗体や消耗品、および免疫不全マウスの購入費、飼育費に使用する予定である。
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