研究課題/領域番号 |
23K08146
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井本 博文 東北大学, 大学病院, 助教 (20754922)
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研究分担者 |
土屋 尭裕 東北大学, 大学病院, 助教 (30785621)
田中 直樹 東北大学, 大学病院, 講師 (60547404)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 減量・代謝改善手術 / 十二指腸空腸バイパス / 胆汁酸 / 糖尿病 / 高度肥満症 |
研究実績の概要 |
当グループでは、代謝改善手術である十二指腸空腸バイパス(Duodenal-jejunal bypass: DJB)を施行し、その代謝改善効果の機序の解明に取り組んできた。こ れまで、DJBを施行すると著明な体重増加抑制効果および糖尿病改善効果を認める一方、胆膵路(Bilio-pancreatic limb: BPL)を切除することで、消化液と混 じた食餌が流れる共通管(Common channel: CC)の長さが同等なのにもかかわらず、DJBによる減量・代謝改善効果が全くキャンセルされる事実を報告した。つ まり、BPLの存在が減量および代謝改善効果に重要であることを示した。また、DJB術後の血中胆汁酸レベルの上昇を確認した。 さらには直近の実験において、DJBでは定説であった回腸からではなく、むしろ BPL内で吸収されていることを発見した。 一方、以前の研究では膵液・胆汁が回腸に流入するこ とが代謝改善効果に寄与しているという結果も得ている。しかし、これらの2つの要素を比 較した検討は未だなされていない。 今回我々はバイパス長を工夫し、既存の回腸末端での再吸収を促進するDJBモデルと、我々の既報に準じたDJBモデルとを比較検討することにより、metabolic surgeryの代謝改善メカニズムにおける腸管循環変容の意義を究明することを目的としている。 本研究はDJB後の胆汁酸再吸収のメカニズムに関する検討であり、手術モデルとしても独創性が 高く、metabolic surgeryの糖代謝改善効果の核心に迫ることができると考えており、今後 実臨床における糖尿病に対する外科治療の確立に向けて非常に意義のあるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年は当研究室の既存の結果を海外学会にて発表し、今後の研究に関しても、現状の研究をより良くすべく情報収集を行なった。 今後実際に実験動物を搬入し、手術モデルを作成、研究を進める予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、所定の動物モデルを搬入し、手術モデルを作成。必要な頭数を揃えた上で、検体を採取してプロトコルに沿った検討項目の測定を行っていくとともに、安定して実験を進められるよう努める。
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