研究課題
今年度はCTOS法を用いた大腸がんcell line作成を行った。同意を得た大腸がん患者9例のHLA typingおよびMSI検査を行った.その後、大腸がん患者9例を対象に術中に切除された組織からがん組織を採取し、その組織を酵素処理し,CTOS法を用いた3次元培養を行うことでがんスフェロイドのcell line化を行った.9例中7例でCTOS cell line化に成功した.続いてCTOS cell lineを用いてネオアンチゲン遺伝子解析へと着手した.現在までに2例の大腸癌サンプルより、CTOSおよび正常大腸粘膜を次世代シーケンサーによりwhole exome解析し,腫瘍特異的な遺伝子変異を同定している.現在、遺伝子変異により発生しうる変異ペプチドをin silicoにて予測中である.
2: おおむね順調に進展している
これまでも大腸癌患者からのCTOS cell line法には成功していたが、今回9例中7例の患者よりライン化に成功した.予想をはるかに上回るライン化の成功率である.また現在ネオアンチゲン遺伝子解析を行っているが、1例において遺伝子変異を認めており、現在変異ペプチドを同定中である.このペプチドが同定され、作成された時点でネオアンチゲン解析が開始となる.予想より順調に研究はすすんでおり、おおむね順調に進展していると判断した.
現在大腸癌患者CTOS cell lineのネオアンチゲン解析を行っている.これらの予測された変異ペプチドの中から,HLA分子との親和性が高く,RNAシーケンスにより発現量が多いと予測されたペプチドを選出し合成する予定である.合成に成功したのち、ペプチドをMini-geneタンデム結合し,pcDNAベクターにクローニングする予定である.現時点では,アデノウイルスベクターにクローニングし,AxCA-neoTMGを作製し,遺伝子を強制発現させる予定である.
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