研究課題/領域番号 |
23K08166
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤尾 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (50723954)
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研究分担者 |
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
柏舘 俊明 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60746345)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 肝細胞移植 / 灌流 / 心停止 / 代謝異常関連脂肪肝 |
研究実績の概要 |
本研究は遺伝性を有することの多い代謝性肝疾患の治療として、現行の負担の多い脳死肝移植の代替治療として、肝細胞移植を現実的なものとする研究である。肝細胞移植は分離させた肝細胞移植は、分離させた肝細胞を血管内に投与し、細胞を肝臓内に生着させる治療法であり、肝移植と比較して安全・簡便・低侵襲といった利点がある。また一つの肝臓から大量の肝細胞を分離でき、多数の患者の治療を同時に行うことが可能という魅力的な治療である。次世代の肝代替療法として期待される肝細胞移植であるが、最大の課題は肝細胞の提供が圧倒的に不足していることである。そこで我々は医学的に不適とされ破棄されるマージナルドナーに着目した。マージナルドナーに短時間の室温酸素化灌流を行うことで肝グラフトのViabilityがあがることを既存の報告で行っている。ex vivoの灌流実験で肝保護作用のあるプロスタグランジンE1 (PGE1)の添加を行うことで、in vivoの肝移植実験において心拍出下肝グラフトと同等の移植成績があること、さらに心停止肝グラフトの冷保存後に短時間の酸素化バッファーの常温還流を行うことで肝グラフトのviabilityが向上することなどを発表してきた。その一連の研究成果を肝細胞移植に発展、応用することで、心停止肝グラフトからの肝細胞移植が期待できるのではないか、という着想に至った。 今年度は、まず既存の灌流モデルを用いてモデル作りに取り組んだ。 既存の心停止モデルの灌流を行い、手技の安定化に取り組んだ。既報と同様の結果を得ることが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
灌流モデルを作成することには成功したが、既報と同様の結果がでるには少し時間がかかった。また適切な線維化モデルを作成する薬剤の購入に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの線維化モデルを作成する。適切な投与量を定める必要があるので、何回か投与を行い、2週ごとに肝臓の評価を行う。細胞移植に適さない臓器を排除する基準を作成する。
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