2023年度(1年目)の本研究の実施予定内容は、患者の摘出腸間膜の破棄部分を用いて、適切な薬剤選択および超音波照射・撹拌条件の検討を行うことであった。患者検体を使用する臨床研究であるため、新たに東京大学医科学研究所内の倫理審査を受ける必要があるため準備を進め、2023年6月15日に令和5年度第3回倫理審査委員会を経て条件付き承認となっていた。並行して、今までの実験において、安定した酵素反応を達成するために超音波槽内の温度管理が重要であるため、実験用機器に恒温装置を導入し実験開始に向けた準備を行った。 しかし、研究責任者の一身上の都合による異動が2023年に7月に決定し、異動先の施設が科研費応募資格を持たないため廃止申請の運びとなった。その後の成果としては、本研究のこれまでの結果をもとに特許出願中(特願2022-036604)であったが、2023年4月に拒絶通知を受領し、これに対して応答を行い、2023年10月に特許査定を得ることができた。また、科研費基盤Cは廃止となるものの、今後の研究継続に向けて、2023年10月に異動先施設での倫理審査を受け承認を得た。2023年11月から研究を開始する予定である。
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