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2023 年度 実施状況報告書

胃癌新規バイオマーカーとしての血中メチル化ctDNA検出法の新規開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K08169
研究機関大阪大学

研究代表者

黒川 幸典  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10470197)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードメチル化ctDNA
研究実績の概要

Circulating tumor DNA (ctDNA)は癌患者の血液中に微量に存在する腫瘍由来のDNAであり、体内腫瘍量のモニタリング法として臨床応用されている。我々はこれまで、胃癌・食道癌患者の遺伝子変異をctDNAとして検出するリキッドバイオプシー研究を進めてきたが、胃癌のように特定の遺伝子変異頻度が低い癌腫に対しては臨床応用が難しいという問題点があった。そこで本研究では、epigeneticな遺伝子発現調節機構であるDNAメチル化に着目し、ctDNAメチル化が胃癌の病勢や治療効果を高感度に判定できるかどうかを検討することを目的とした。
R5年度では、胃癌術後再発患者10例の胃癌切除標本の癌部と非癌部からそれぞれDNAを抽出し、NGSを用いた癌関連63遺伝子のDNAメチル化解析を行った。The Cancer Genome Atlasにおける胃癌組織のctDNAメチル化の公開データも利用したところ、胃癌では63遺伝子中44遺伝子が、非癌部と比較して癌部で高メチル化されていることがわかった。この44遺伝に対して、当院での10例のNGS結果を解析したところ、SPG20, FBN1, SDC2, TFPI2, SEPT9の5遺伝子が胃癌部で高メチル化されている遺伝子として同定された。
R6年度現在、胃癌再発患者16例の血漿からDNAを抽出し、同様にNGSでメチル化解析を行い解析中である。
また今後はさらに症例数を増やし解析するために、より安価で簡易的な胃癌患者の血漿におけるctDNAメチル化解析手法として、digital PCRを用いた手法の確立に努める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

R5年度では、胃癌術後再発患者10例の胃癌切除標本の癌部と非癌部からそれぞれDNAを抽出し、NGSを用いた癌関連63遺伝子のDNAメチル化解析を行った。The Cancer Genome Atlasにおける胃癌組織のctDNAメチル化の公開データも利用したところ、胃癌では63遺伝子中44遺伝子が、非癌部と比較して癌部で高メチル化されていることがわかった。この44遺伝に対して、当院での10例のNGS結果を解析したところ、SPG20, FBN1, SDC2, TFPI2, SEPT9の5遺伝子が胃癌部で高メチル化されている遺伝子として同定された。
R6年度現在、胃癌再発患者16例の血漿からDNAを抽出し、同様にNGSでメチル化解析を行い解析中である。

今後の研究の推進方策

R6年度は、胃癌再発患者16例の血漿からDNAを抽出しNGSを行なった結果を引き続き解析する予定である。
NGSを用いたメチル化解析は、メチル化されているCpG siteを数千単位で解析でき網羅的であるという反面、コストが高く、限られた施設でしか実施することができず、臨床応用が難しいというデメリットがある。そのため、我々は当初の予定通り、簡易的に実施できる胃癌患者の血漿ctDNAメチル化解析手法として、digital PCRを用いた手法の確立に努める予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度には本研究の本幹となる血漿を用いたメチル化ctDNAを行う予定であり、使用額がより必要になることが予想されたため。

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公開日: 2024-12-25  

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