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2023 年度 実施状況報告書

exosomeとL-EV内のctDNAを用いた大腸癌肝転移術後早期再発の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K08182
研究機関日本医科大学

研究代表者

神田 知洋  日本医科大学, 医学部, 助教 (30714761)

研究分担者 山田 岳史  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50307948)
吉岡 正人  日本医科大学, 医学部, 講師 (80366715)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード大腸癌肝転移 / ctDNA
研究実績の概要

肝切除術は大腸癌肝転移を治癒せしめる唯一の方法であるが、2/3の症例は再発をきたすため、再発リスクを正確に予測することは極めて重要である。根治切除が行われたにもかかわらず再発をきたす理由の一つは画像上同定できない微小転移の存在である。cell-free tumor DNA (ctDNA)は腫瘍由来のDNAであり、その半減期は数時間以内と極めて短いため、術後2-4週間でctDNAが同定される病態はMinimal Residual Disease(MRD)と呼ばれ、微小転移の存在を強く示唆し、MRD症例の再発率は高率である。しかし、MRD陰性例が再発することも少なくないためMRD同定のさらなる高感度化が望まれる。血液中の細胞外小胞(extrecellular vesicle : EV)内にもctDNAが含まれる。EVは脂質の2重膜に覆われており、DNA、RNA、タンパク質を内包するため、血液中に大量に存在するDNA分解酵素等への暴露を回避でき、EV内のctDNAは保存状態が良好である。EVは生きた細胞から分泌されるという点で細胞死から流出する結晶中のctDNAと異なる。100nm以下のexosomeは90%が正常細胞から分泌されるのに対し、数百nmの大きさをもつLarge extracellular vesicle(L-EV)は腫瘍細胞から分泌されるものが多い。
本研究はexosomeとL-EV内のctDNAを用いて、MRD同定の高感度化を目指す。
大腸癌肝転移症例10例の患者に対して、術前および術後2-4週間で採血を行い、血漿からctDNA、exosome、L-EVを抽出した。さらにexosome、L-EVからctDNAを採取した。それぞれの症例から3ヶ月毎に採血を行っている。ctDNAの遺伝子変異をDroplet Digital PCR(ddPCR)を用いて解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の予定より手術症例が少なく、検体の採取に時間を要した。
またL-EVからもctDNA抽出を試みているが、症例により脂質二重膜が破損した形で採取されるため、安定した測定系を完成させるためにL-EV抽出工程の改善法を検討しているところである。

今後の研究の推進方策

大腸癌肝転移症例の血漿、exosomeとLarge extracellular vesicle(L-EV)からctDNAを採取する。
15例を目標とする。ctDNAの遺伝子変異をBio-Rad社のDroplet Digital PCR(ddPCR)を用いて解析する。
またL-EVからもctDNA抽出を行っているが、症例により脂質二重膜が破損した形で採取されるため、安定した測定系を完成させるためにL-EV抽出工程のさらなる改善法を検討する。
術後にMRD同定の高感度化を目的とし、大腸癌肝転移に対し肝切除術を行なった症例の再発リスクをより高精度に予測する方法を開発する。

次年度使用額が生じた理由

検体の採取が十分に進まず研究推進が遅れたため、当初使用予定であったDNA解析用消耗品の購入時期が延期となった。今後、予定通り消耗品を購入し、研究を推進させる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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