研究課題/領域番号 |
23K08191
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大北 喜基 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20378342)
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研究分担者 |
志村 匡信 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90734575)
北嶋 貴仁 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30586772)
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30555545)
池内 浩基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80319863)
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | クローン病 / 癌 |
研究実績の概要 |
近年クローン病(CD)の長期罹患例は増加傾向にあり、それに伴い癌合併例が増加してきている。肛門病変長期罹患例には直腸肛門管癌を念頭に置いた腰椎麻酔下生検および内視鏡が推奨されているものの、その侵襲の大きさから十分に行われていないのが現状である。また、直腸肛門管癌以外の大腸癌・小腸癌に対しても、有用とされる早期発見のための方法はない。 本研究では、慢性炎症により誘発されるCDによる発癌過程において、網羅的解析によるゲノム異常ならびにエピゲノム変化を同定し、CD癌化のリスク診断および早期癌診断のバイオマーカーを発見することを目的としている。 2000年10月から2023年8月までに三重大学病院および兵庫医科大学病院でクローン病に対して手術が施行された症例を対象としている。最終病理診断で癌合併症例は三重大学9例、兵庫医科大学40例、非癌合併例は三重大学200例、兵庫医科大学800例をそれぞれ経験し、パラフィン包埋した組織を保管している。 三重大学病院で手術を施行したCD患者情報から、非癌合併CDと癌合併CDを選定した。パラフィンブロックからマイクロダイセクション法により非癌合併CD患者の正常粘膜(①)および癌合併CD患者の近傍正常粘膜(②)および癌部(③)から組織を採取した。 これらの組織よりDNA/RNAを抽出、外注検査に委託し、網羅的DNAメチル化解析ならびにmiRNA解析を行う。①群vs.③群、②群vs.③群をそれぞれ比較検討することで、癌部(③群)で有意に高メチル化している遺伝子および高発現しているmiRNAを同定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数が少なく、古い検体を含むため、組織の選定、組織からのDNA/RNAの抽出に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
網羅的スクリーニング により選択されたCD癌部特異的メチル化DNAおよびmiRNA発現をバイオマーカー候補とする。その検証のために、多数例での非癌合併CD患者の正常粘膜および癌合併CD患者の近傍正常粘膜、癌部からDNAおよびRNAを抽出する。候補メチル化DNAは、バイサルファイト処理後パイロシークエンサーにてメチル化レベルを定量し、再現性を検証する。また候補miRNAはqPCRあるいはddPCRにて発現を定量し、再現性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
網羅的スクリーニング により選択されたCD癌部特異的メチル化DNAおよびmiRNA発現をバイオマーカー候補とする。その検証のために、対象となる患者の病理標本を新たに検証しなおし、非癌合併CD患者の正常粘膜および癌合併CD患者の近傍正常粘膜、癌部からDNAおよびRNAを抽出した。
①候補メチル化DNAは、バイサルファイト処理後パイロシークエンサーにてメチル化レベルを定量し、再現性を検証する②候補miRNAはqPCRあるいはddPCRにて発現を定量し、再現性を検証する、ことを予定していた。これらの実験が遅れたため、次年度使用額が生じた。 次年度、上記実験に使用する予定である。
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